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□探鉱者と祈祷師
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部屋に向かう途中だが足元がふらつく
手すりを掴み、なんとか階段を登る


(…だめだ、最近眠気がひどい。力使いすぎてんのか?)


試合で矢の使用頻度が高ければ高いほど、その反動のように強烈な眠気が襲ってくるようになった
何故か理由は分からない


(あー…だめだ瞼が、くっつ、く……)


まだ階段の途中にも関わらず、私の体から力が抜ける
落ちる体を支えようと腕に力を入れるが、手すりを掴み損なった


「やっば……」


スローモーションのように自分が落ちていく
体は言うことを聞かず、そのまま後ろに倒れる


「……大丈夫?」


でも衝撃はこなかった
頭上から優しい声が聞こえる
見上げると、先程まで隣でクッキーを頬張っていた彼がいた


「ノートン、さん」
「…部屋どこ?」


かなりしっかりした腕に支えられ、部屋まで運んでもらった
申し訳なさで少しだけ目が覚めた

帯を少し緩め、寝る体勢に入る
ノートンさんは私の顔を覗き込んだ


「どこか悪いならダイアー先生呼んでくるよ」
「あ、そういう訳じゃなくて…純粋に眠いだけです」
「……それならいいけど」


そう言いながら私の頭を撫でてくれている
大きな手が、かつての兄さんの温かさを感じさせる

心地よくなってしまい、そのまま意識を手放した











すやすやと眠るアオイ
どこか様子がおかしいと思い、追いかけてよかった

眠気と言っていたが、倒れるほどの眠気は異常じゃないのか?
その無防備に寝ている唇に触れる


(ナワーブは、もうコレを知ってんだよな)


数日ほど前に、飲まされキスされた事を何故か俺に相談してきた
最近のナワーブの様子からして、多少なりとも意識してしまってるんだろう


(もしかしてアオイはナワーブの事を好き……?だからキスした?)


最初見た時から、綺麗だと思った
透き通るような肌に艶のある髪
一般的な男であれば反応するような体つき


(ああ、汚してやりたい……)
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