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□占い師と祈祷師
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さすがにナワーブさんが不憫になったから、あれからきちんと誤解を解いた
フィオナって怒ると怖いんだなぁと学んだところで、試合を終えた人達が続々と帰ってきた
どうやらこの荘園にはハンターも複数いるらしい
「アオイが出会ったのはリッパー。姿を透化する事ができるから、心音が聞こえないなら相性は悪いかもしれないな」
「ハンターにもそれぞれ特質があるのね…頭痛いわ…」
体調も良くなったから、皆と一緒に夜ご飯を食べる
さっきの騒動は割と広まっているみたいで、男性陣にナワーブさんがからかわれているのが見えた
「久しぶりにキレてるフィオナさん見ました」
「あらヘレナ、私が本気で怒ったらあんなもんじゃないわよ?」
「エマこれからずっといい子でいるの!」
そんな会話が聞こえ、思わず苦笑い
こんなお淑やかそうな彼女が本気でキレてるなんて想像したくない
食後の紅茶に口をつけ、もう一度手紙を読み返す
まだ1回しか試合をしてないけど、これからの立ち回りを考えておかないと…
みんなに断り、部屋に戻ることにした
「あはは、災難だったね」
「笑い事じゃねぇよイライ…」
先程のことは戻ってきた奴らにあっという間に広まった
今日の試合はどれも好調だったらしく、からかう元気が有り余っているようだ
「アオイと二人きりになるなんて、君も中々やり手だねぇ?」
「あンだよ、不可抗力だっての」
隣のイライは楽しそうに紅茶を飲んでいる
ウィリアムに至っては、どこまでいったかをしつこく聞いてくる 無視
「でも彼女の外在特質なら確実にチェイス要員だろ。ほら、サベダー先輩の指導が必要じゃないの?」
「それならお前やノートンもチェイス要員だろーが。つーかノートン、アイツのこと部屋に誘ってなかったっけ?」
「ああ、好みだから」
サラッと答えるノートンに、思わずパンが喉に詰まる
他の奴らも、その発言に驚いたようだ
「君がそういうの、珍しいね」
「そう?」
まぁ別にどうこうするつもりはないけど、と続けた
ふいに先程アオイを受け止めた時のことを思い出す
(確かに、綺麗な肌してるとは思ったが…)
傷も痣もない、透き通った白い肌
おそらく服の下も、その綺麗な白が続いてるんだろう
「夜の試合はねぇみたいだし、風呂いくぞナワーブ!」
「ハァ?食ってすぐかよ」
強制的に腕を掴まれ連行される
その途中で、アオイがカヴィンと笑っているのが見えた