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□Tu me manques
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ジャンはずるい。

「なァ、エルマ、オレぁどうしたらいいと思う?」

そんなことを言って上目遣いに私を見る。普段頭一つ高いところから見下ろしている男が跪いて、だ。

「どうしたらって、今日は予定が入ってるから待っててもらうしかないんだけど。」
「そんな事言うなよマドモアゼル。」

な?とばかりに私の手を取ってキスを1つ。なんならウインクもおまけだ。
フランス男の実力とやらを見せられてぐらりと心が揺らぎそうになるがすんでの所で踏みとどまる。

「ほんとにごめんだけど今日は無理なの。急いで帰ってくるから。
だいたい急に来たジャンもいけないのよ?」
「急にエルマに会いたくなったんだから仕方ねえだろう?」

少し拗ねたように私の手をもてあそびながら彼はゆっくり立ち上がった。

「……分かったよ。用事が終わったら速攻で帰ってこいよな。」
「もちろん。帰ったら何でも付き合うから。」
「言ったな?覚悟しとけよ?」

私の頬に手を添えて近付いてきたジャン。気が付けば隙間なく密着して抱きしめられていた。

「愛してるぜエルマ。」
「私も。」

たちまち降ってくる口付け。リップが落ちるなあとぼんやり思いながら、私はこの寂しがり屋の背中に回した腕に力を入れて抱きしめた。


Tu me manques/君がいなくて寂しい
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