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□日焼け
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鼻の頭の皮がむけてきた。この間海に行って日焼けしすぎてしまったのだ。
そばかすになったら嫌だな〜と思って洗面所の鏡を覗いていると、背後にオレンジのヘアバンドが映り込んだ。

「あれ、エルマそれどうした?怪我したのか?」
「え?どこも怪我してないよ。」
「でもほら、鼻の頭。」

私の家に来ていたナランチャの心配そうな顔が近付いて、つん、と鼻の頭をつつかれた。

「これ?日焼けしたから皮がむけてきただけだよ。大丈夫。」
「日焼け?ああ〜、この間の。そうだ、背中大丈夫か?」

心配そうにナランチャが私の肩あたりを気にしている。彼と一緒に海に行って、楽しすぎて日焼け止めを塗り直ししなかった私は肩から背中にかけて真っ赤に焼けてしまったのだ。

「肩も少しむけてきたかな、でもだいぶ落ち着いたから。」
「ほんとごめんな、オレ、エルマの事振り回しちまってさあ〜。」

ショボン、と効果音が聞こえるくらいに小さくなっているナランチャが可愛くなって、手を伸ばして彼の頭をよしよしする。

「楽しかったからいいんだよ!ナランチャも楽しかった?」
「もちろん!エルマと一緒で楽しくない訳ねぇだろ?
そうだ、ちょっと見せてみろよ。」
「え?やだ引っ張らないで伸びる〜!」

ナランチャがTシャツの首もとを引っ張るから私は慌ててその手から離れようとした。捕まえようとする彼。狭い洗面所でキャアキャアやっていたらお互いによろけてしっかり抱き合う形になってしまった。

「……ごめん。」
「……うん。」

その瞬間言葉が途切れて何となく気恥ずかしい。俯いているとTシャツの肩口を少しずらされてナランチャが覗き込んでいた。

「赤いのは引いたみたいだなあ……しっかり焼けてらあ。」
「でしょ?」

目が合った。その瞳はギラついて肉食獣を連想させ、私はこくりと喉を鳴らした。

「……ナラン、チャ?」
「他んとこは大丈夫か?よーく確認しねえとなあ。」

ナランチャの手がゆっくりとTシャツの裾から侵入してきたかと思うと噛みつくようなキスをされた。彼にしがみつきながら、今夜も彼の与える熱に翻弄されていく。

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