4冊目

□190歩目。
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「あれは…!」


僕はケイヒさんの家でユウキが帰ってくるのを待っていた。しかし何かあったときの連絡手段である発煙筒の煙が空に上がっていて僕はケイヒさんに声をかける。


「あれは私の作った発煙筒の煙じゃ!ということはあの子に何かあったに違いない、私が向かうからお前さんは此処で…「ユウキ!!!」あっ!これ!待ちなさい!!」


ケイヒさんが言い終わるより前に僕の身体は動き始めていた。治療してもらったとは言え、やはり足の痛みはいつものように早く走ることを許してくれない。それでも僕は全速力でユウキの元へ走った。


発煙筒の煙を頼りに森の中を進むとサーナイトたちが僕を見つけて泣き出しそうな顔で抱きついてきた。


『サナァ…!』
『ライチャア!』
『トゥー!』
『コォーン!!』

「みんな!…ユウキとエーフィ、エネコは!?」

『サナッサナァ!』

「クソ…!僕にもキミたちの言葉がハッキリわかれば…!」


こう言うとき、ユウキならみんなの言葉がすぐにわかって助けにいけるのに…!僕が困っているとライチュウがロコンの首を咥え、走り去るモーションを見せた。そしてその後をサーナイトが追いかけるような動きをした。この場にいないエネコとエーフィ、それにユウキを考えて僕は何となくだがエネコが何者かにさらわれてその後をユウキたちが追いかけたのではないか?という結論に達し、サーナイトに聞いてみるとその場にいたみんながこくこくと首を縦に振った。


「なるほど、わかった!…ユウキはどっちに?」

『サナサナ…!』


サーナイトは向こうに見える洞窟を指さした。きっとあれがケイヒさんの言っていたお化けの出る洞窟なんだろう…!普段ならユウキはダメと言われたところには近寄らない子だ。それでも自分のポケモンがさらわれたならきっと彼女は恐怖心よりも助ける気持ちの方が強い。僕は中に入ろうとするとサーナイトたちも一緒に着いてきたそうにした。


「サーナイトにみんな…」

『サナサナ!』
『コォン!』
『ライチュウ!』
『トゥー!』

「…キミたちも来たいんだね?わかった、サポートを頼む!」


僕がそう言うとユウキのポケモンたちはこくりと力強く頷き、洞窟へと足を踏み入れようとしたその時だった。


「シゲル!」

「シンジ!グラジオ!」


空からドンカラスに乗ったシンジとグラジオが降りてきた。


「煙が見えてな。もしかしたらと思ったらビンゴだった。」

「アイツはどうした?」

「それが……」


僕が事の経緯を説明しようと思ったその時。


「いやぁあぁあぁあ!!助けてシゲル!シゲルーーーーーっ……」


微かにだけどユウキの悲鳴が聞こえ僕はユウキの名前を呼びながら洞窟の中へと走った。


「ユウキっ!!」

「あっ!おいシゲル!」

「…!」


その後を続いてシンジとグラジオも走り出した。

































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