4冊目

□185歩目。
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目が覚めると見慣れない天井が目に飛び込んできて、僕はベッドの上に居ていた。その傍らにはサラサラした短い黒髪がよく似合う僕の一番好きな女の子が眠っていた。此処は…?


僕がキョロキョロと辺りを見渡しているとドアが開き、優しそうなおばあさんが入ってきた。おばあさんは僕を見て起きたのかい、と優しく言いながら笑いかけてくれた。


「起きたのかい?シゲル。」

「え、あ、はい。…あの、貴方は?此処は何処ですか?」

「私はこの島で医者をやっとるケイヒじゃ。お前さんは覚えとらんかもしれんが、この子の話では大変な目に遭ったようじゃの。怪我した状態で嵐の波にさらわれ、海水から感染症引き起こしたみたいでの。抗生物質も持ってなかったから薬を飲ませてあげられないとこの島にたどり着いたときその子が大声で泣いていたんじゃ。」

「ユウキが…」


僕はユウキの髪に触れ頭を撫でる。その様子を見てケイヒさんは微笑んでからこう言った。


「ふふふ。アンタたち、両想いだねぇ。」

「…え?」

「おやおや?気付いとらんのかね?はっはっは!若いって良いねぇ。…そうじゃシゲル、お前さんのポケモンも診てやろう。」

『フィー♪』

「エーフィ。」


ケイヒさんの後ろからユウキのポケモンたちがやってきた。スヤスヤ寝息をたてるユウキの横にみんな体を寄せて甘えた。僕が笑ってエーフィたちの体を撫でるとエーフィたちも幸せそうにしていた。モンスターボールからブラッキー、エレキブル、カメックスを出すとケイヒさんはおやおや、と微笑んだ。


「ユウキのエーフィたちはとても美しく、優しく育てられておるのう。じゃがシゲルのポケモンたちもしっかり育てられておるのう。」

「ありがとうございます。…僕のケガも…」

「いや。お前さんを助けたのは誰でもないそこで眠っておるユウキじゃよ。」

「………ええ。…ありがとう…ユウキ…」


僕はユウキの名前を呟いてお礼を言った。しばらく寝顔を見守った。その様子を見てケイヒさんはお茶でも飲むかい?と優しく笑って言ってくれた。


「あ、ありがとうございます。ケイヒさん。」

「ふふ、それじゃあユウキを起こしてリビングにおいで。シゲルは薬膳ハーブティーじゃよ。苦くても飲みきるようにね?」


ケイヒさんがものすごく恐ろし気な黒い笑顔でそう言ってきたため僕はちょっと顔を引きつらせながらも大人しく返事をした。


「あ、は、はい…」

「はっはっは、早くおいで。海水で冷えた体を内側から温めてくれるよ。」


そう言って人懐っこい笑顔を見せてケイヒさんはリビングへと行った。






























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