7冊目

□229歩目。
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部屋の中を見渡して窓を発見し、窓の外を覗いてみるがそこから見える景色は地上より遥か高かった。


ムゲーテ団に捉えられた私はわけのわからないまま超豪華な個室へと監禁されてしまった。エネコたちとは分けられて。


エネコとロコンに食らわせた電撃のことが気になる。ライチュウは電気タイプだから効果はほとんどないに等しいけど先ほどの戦いで傷ついた体であることだけは間違いない。何とか此処から抜け出して手当てしてあげなくちゃ…


そうは思っていても眠らされている間に私の腕には何かの腕輪をつけられている。…予想が外れてくれればいいが恐らくこれは発信機かつ爆弾も仕込まれているタイプの腕輪だと思う。


そうまでして私を逃がしたくない理由がわからない。…いや、まぁ冷静に考えてみれば金の生る木と呼ばれる私を逃がしたくないと思うのは普通のことか…


窓から見えたその景色は地上より5メートルほど高い位置にあることが窺い知れ、更に海の崖っぷちであることがわかった。部屋自体も堅牢な作りにされており脱出できる確率は0%に近い。


監視カメラまで設置されており死角になるのはシャワールームとトイレだけ。そのトイレにもシャワールームにも窓がない。



「状況は最悪…」


どうやって逃げ出せばいい?


どうすれば、私はシゲルたちのところへ帰れる?


考えろ、考えろ。



私はギリギリと奥歯を噛み合わせながら作戦を練った。







































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