オレンジ色の旅日記

□6歩目。
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シゲルの旅の話を聞いた後、今度は自分の話を聞きたいとシゲルが言ってきた。エーフィとブラッキーはすっかり眠ってしまっていたけど、何から話そうかなぁ。なんて考えて、
ユウキは自分の小さい頃の話を始めた。



「そうだなぁ…僕の両親は早くに亡くなったからまだ小さい僕をユウイチ兄さんとユウジロウ兄さんが育てるためにポケモントレーナーとして旅立つのを諦めてユウイチ兄さんは頭が良かったからお父さんの研究所の跡を継いで研究者に、ユウジロウ兄さんはお母さんの跡を継いでユウヒガジムを経営することになったんだ。」

「そうなんだ…ごめん。」

「あ、いや!確かにお母さんもお父さんもいないけど、僕には兄さんたちが居たし、兄さんたちのことが大好きだし…二人を安心させるために早く一人前にならなきゃって兄さんたちのポケモンの世話と家事をするようになった。


僕、昔は結構怖がりでお化けがすごく苦手で兄さんたちが泊まり掛けで出掛けたときは一人でよく泣いてたんだ。たぶん薄々それに気づいてた兄さんたちは異常に心配するようになってね、女の子なんだから甘えていいなんて言われて…でもそんなの嫌だ、男の子みたいに強くならなきゃって思ってたらいつの間にかこんな話し方になっちゃったんだよね。…あ!大好きっての、兄さんたちには内緒ね!言うとユウイチ兄さんが特に暴走して鬱陶しくなるから!」

「はは、ユウイチ博士に厳しいね、ユウキ。」

「兄さんたちのことは尊敬してるけどあの異常な愛の押しつけはさすがにやめて欲しいかな…」


ユウキがドン引きした目で遠くを見つめ、呆れているとシゲルはそれで、いつイーブイに会ったんだい?と優しい声で聞いてきた。


「まぁ、そんな感じで家にもあまり兄さんたちがいなかったから、話相手はいつもポケモンたちだったなぁ。ポケモンたちは僕の友達で家族なんだけど、小さい頃からエスパータイプポケモンに囲まれて過ごしたからか、兄さんたちよりも野生でもポケモンたちの言いたいことがわかるっていうか、人と話すみたいにお互いの言葉と気持ちが伝わるんだ。これは僕が大きくなってからわかった才能だったみたい。ただポケモンたちの言葉や気持ちはわかるけどまだ自分のポケモンは持ってない嵐の近付いてきたある日、事件が起こったんだ。」









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