7冊目

□236歩目。
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「一応この部屋の檻は解除してみんな取り戻したけど…それでもポケモンの技を封じる首輪はまだ外せてない…それにエネコとロコンは私を大人しくさせるために見せしめに身動き取れない状態で電撃を食らわされて傷ついてるの…」

「何だって…なんて酷いことを…!!」

「私が捕まるなんて真似をしたからみんなを傷つけてしまった…怖い目に遭わせてしまった…」


私はモンスターボールの中で休んでいる二人をモンスターボール越しに撫で歯を食いしばった。シゲルはすぐに此処から出てみんなを手当てしてあげよう、と微笑んで安心させてくれた。


「大丈夫、此処からすぐに出てみんなを手当てしてあげようね…」

「…うん。」


すると次の瞬間ドアの開く音とアイの声が聞こえてきた。


「こっち!エースバーン!!」

『ファニ!!』

「馬鹿め、此処は袋小路だ…!大人しく捕まり子供を作れ!!」


ロッカー越しに聞こえてきた言葉に私はすっと全身から血の気が引いていくのを感じた。


自分が何故こんなところへ連れてこられたのか、どうして自分だったのか。


もしもまた捕まったら。


もしも、またシゲルと引き離されてしまったら、私は好きでもない男と望まない子供を作ってしまうことになるのだろうか。


シゲルと出会った頃と違って、もう私の体は大人になってしまっている。


もし軽はずみにそんなことをしてしまえば、私はその命を大切に出来るだろうか。


ドクドクと鼓動だけが五月蠅く感じ、手には汗が滲む。


嫌だ…嫌だ…!


それらをすべて理解した瞬間に震えが止まらなくなった。シゲルはそんな私の気持ちを察してか、一度手を握り返してから私の耳元で優しく小声で囁いた。



「…大丈夫。絶対にキミを渡したりしない…ユウキは僕のお嫁さんになるんだから。」


…こんなところでプロポーズなんかしないでよ。シゲルのことだからもっと気障で、でも一生懸命考えた素敵なシチュエーションでしてくれるはずだったんだろう。


「…うん。」


でも断る理由が見つからない。最悪なシチュエーションでもシゲルの言葉が私にとっては最強のお守りだったから。


そう言われて私は力強く頷いたと同時に震えが収まっていた。


そうだよ、私はシゲル以外の男なんか眼中にない。


アイたちやエースバーンたちと一緒に帰ってまたみんなで笑い合うって夢があるのに、何度も邪魔をしてきて鬱陶しい連中…絶対許してやるもんか!!


私とシゲルはロッカーから飛び出し、奇襲を仕掛けた。

































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