7冊目
□227歩目。
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「失礼します。」
僕は院長室に入りユキノシタさんの先ほど録音した音声を聞かせると院長室は修羅場と化した。
「ユキノシタくん、これは一体どういうことなんだ!!」
「そのっこれは、違うの!!」
「何が違うものか!!」
「静かにしていただけますか。」
僕の声が院長室内の修羅場を鎮めた。僕はキッとユキノシタさんを睨み付け、ユウキを浚ったことに関して院長に突き付け、監視カメラを見せてもらうことを頼んだ。
「僕の大切な人が彼女によって浚われた…監視カメラを見せていただけますか。緊急を要します。」
「…………かしこまりました、本当に申し訳ありません…!」
「今謝罪はどうでもいい…僕の大切な人が帰ってこなかった場合はこの病院のセキュリティの甘さについてマスコミに全て伝えさせていただきます。覚悟はよろしいですか?」
「ヒィッ!!それだけは…それだけはどうか…!!」
院長は僕の発言に怯え、ユウキを連れ去った男の行動を見るため監視カメラを見せてもらうことになった。
カメラに映ったのはユウキとユキノシタさんが小さな会議室へ入っていく姿、数分後、黒服の男が入っていったものの出てきたのはポーターの制服を着た男が白い布を被せ、台車で運んでいくのが見えた。
恐らくあの布の下に眠らされたユウキを隠して台車に乗せて運びだしたんだ…!!男は霊安室へ向かったのを確認した僕は急いでそこへ向かおうとした。しかしそれを遮ったのはネイティだった。
「どうしたんだい、ネイティ。」
『トゥ!』
ネイティは最初の小会議室へ向かい、僕はネイティの意図を読み取るため室内を探し回る。すると植木鉢に小さな発信機があったのに気が付いた。
これは…ユウキの発信機だ…!
僕はすぐにその発信機を自分のポケギアに差し込み、マップを表示した。
ユウキの居る場所はすごいスピードで移動している。…つまりこれは車で移動しているってことだな…
急がないと…!!僕は次にユウキを連れていったと思われる男が向かった霊安室へと向かった。
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