がらくた置き場

□藤真君の誰にも言えない話
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18禁 欲望の塊
攻めるヒロイン、喘ぐ藤真







*****

高校に入学した年にそれは起こった。

「先輩、今日は。」
「よう、藤真。」

部活動のプリントを貰う為、三年生の教室がある階段を登っていた最中のこと。偶然にも該当の人物を見つけ声を掛けた。
教室に入って行った上級生を待っていると、藤真は残されていた女生徒を見やった。

「…!」

彼女の視線は、藤真を塵でも見るかの様に何の感情も無かった。
一瞬、本当に僅かに藤真に、意味の分からぬ衝動が駆けた。

「藤真、待たせた!これ一年で回してやってくれ。」
「…あ、ああ。はい。ありがとうございます。」
「うん。それじゃあ宜しく頼んだ!××、悪い。話の続きだ。」

××と呼ばれた女生徒を一瞥すると、藤真はそっとその場を離れた。

「…。」

あの目は何だったのか。
藤真は脈打つ胸に違和感を覚えながら、胸中に浮かんだ言葉をそのまま呟いた。

「もっと俺を見てほしい。」

あの目で、自分を見てほしい。

*****

どうやら××と呼ばれた女生徒は、誰にでもあの塵を見るような目付きで話すらしい。
別に素行が悪いとかでは無く、単純に視力の問題らしい。授業以外では眼鏡を外している為、先日の様な状況になったそうだ。

「悪い奴じゃないんだ。寧ろ、その辺の女子より確りしてて良い奴だよ。」

三年生の先輩は彼女についてそう語った。

××○○○

藤真は彼女の名前を聞こえぬ様に呟くと這い上がる快感に体を震わせた。


*****

「もうこんなになってる。本当に悪い子だね、健司は。」

それから二年後のある日曜日、部活終わりに○○○の部屋へ寄った藤真は熱い息を吐きながらベッドの上で身悶えながら回想した。

例の件の後、何度も何度も接触し、○○○と交際出来ることになった藤真の初体験は周囲からは想像し難い物だった。

「健司、余裕みたいね。」
「うっ○○○、ごめんっ」

心ここにあらずな藤真に、怪しい笑みを張り付けた○○○は、勃起する陰茎を足で擦った。
黒いストッキングに包まれた足が藤真の制服の上から扱く姿は、藤真に思いを寄せる女子学生達が見たら卒倒しそうだ。

「ほら、自分で服脱ぎなさい?皺になっちゃうよ?」
「う、ん。」

○○○の足が離れると、切ない声を上げながら制服を脱ぐ。素早くハンガーに制服を掛け、眼鏡を外した○○○は、己の名前を呼ぶ藤真の側へ腰を下ろした。

「ふっふふ、可愛い健司。」
「○○○…○○○。」

リップ音を立て、藤真の唇を奪うと再び陰茎へ刺激を加えた。
頬を赤らめ喘ぐ藤真の耳や、首筋顎を食みながら○○○は眉間を寄せ悪い笑みを浮かべた。

「健司は女の子みたいね。おっきな声出しちゃって。」
「く、ああっ!そ、んな…」
「違うの?こんなに気持ち良さそうなのに。」

陰茎からは我慢汁が垂れ、擦られる度に○○○の掌で卑猥な音を立てていた。

「…そっか、もっとヌルヌルにしないと気持ち良くないのね。」
「えっ…○○○、ちょっと待っうわぁ!」

○○○の唾液が、藤真の陰茎に落ちた。加わった潤いに先程よりもスムーズに動く掌に藤真は仰け反った。

「くぅ、ん、あっ!○○○、も…むり」
「まだダメ。」

藤真の汗で固まった前髪を細い指で払うと、○○○はあの目で藤真を見た。

「まだまだ可愛いがってあげる。」
「…っ。○○○、好き。」

○○○はストッキングとショーツを下ろし、藤真に跨がると陰部に避妊具を着けた陰茎を挿入していった。
大きな手を柔らかな手で握り、藤真を魅せたあの瞳には快感が滲んで見えた。

「○○○、ああ!もっと見てっ俺、をっ…んく」
「あっん、ふふっ可愛い健司。愛してるわ。ふふ。」


*****

夕焼けが鮮やかな頃、藤真は目を覚ました。
正面の台所では、来た時と変わらぬ姿の○○○が鍋に火をかけていた。
制服のスラックスを履き、インナーシャツを着ると○○○の元へ歩み寄り、後ろから抱き付いた。

「健司、起きた?お鍋見てるから危ないよ。」
「うん、ごめん。でもちょっとだけこうしたいんだ。」

甘える藤真に、○○○は火を弱めると体を捩り向かい合って抱き締めた。

「健司って出会った時から可愛かったね。」
「…覚えてるの?」
「一年生に配布する書類取りに来てたでしょ?」

当時を振り返り、眼鏡を外した○○○は藤真を見上げて口の端を上げた。

「あの時から健司、私の事好きだもんね。」

スッと細められた目には、恍惚とした藤真が写っていた。








おしまい
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