夢日記

□幸せな朝
1ページ/3ページ



「ん…」

早朝。
目覚ましは7時に設定してあるが、ちらと時計を見ると午前4時。
名無しはちょっと早めの朝を迎えると、隣で寝ている愛しい彼に向き直った。

スースーと気持ちよさそうに眠るその姿に、ちょっといたずらしたくなる。
すこし乱れる彼の髪。

「………ごろちゃーん」

呼びかけてみるが、返事はない。
規則的な寝息を立て、起きる気配など全くない。随分熟睡しているようだ。

サラサラの髪。頭を撫でようと手を伸ばした瞬間、その手首をぐいっと引かれ、名無しの腕は彼の首に巻き付けられる。
「!?」
驚きもつかの間、唇に柔らかい感触がし、そのまま抱きしめられた。

「んん…!」

その唇はゆっくり名無しを堪能したあと、名残惜しそうに離れる。


「…名無し、おはようさーん…」


優しい声に、胸がきゅうっと苦しくなる。


「ね、寝てたんじゃないの…」

「寝とったで?ただなぁ、可愛い可愛い彼女が、なんや俺にしようとしてたもんやから本能で起きてもた」

「!!!起こしちゃったのか、ご、ごめん…」

「なあに謝ってんねん、そない朝からイチャイチャしたかったん?………しよか〜?」



ニッヒヒ、と笑う彼に名無しは「もう!」と顔を赤らめた。

「ま、また冗談ばっかり…」

わたわたと濁す名無しに、真島は
「冗談やないで」
と急に真剣な目付きになったかと思うと、名無しの上に覆いかぶさった。



「ひゃ…な、なにすんの朝から!」
「あ〜…ん〜朝やから眠いねん。頭回っとらんねん。しゃーないよなぁ〜甘えとうて仕方ない」


ニィッと口の端をあげたかと思うと、真島は名無しの顔の左右に両手首を固定し耳たぶをちゅっと吸った。



「ぅあ……ん……っ」

「なんや…朝から色っぽい声出すのう、朝も夜も関係あらへんやないか」

「う…!!」


いつも乗せられてばかりだ。いつも吾朗ちゃんのペースだ。まんまとハマって流されてしまう。
次へ
前の章へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ