好きですか?

□第7話
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私はいつも小林を目で追ってたから気づく。

あの告白した日から、小林と理佐がおかしい。

前は楽しそうに話していたのに、小林は笑顔を作るのに必死。理佐はどうすればいいか分からないって感じ。

小林、振られたんだ。
ってことは、私にもチャンスあるじゃん。

小林…そうとうメンタルやられてるのかな。
元気なさすぎるでしょ。

私なら…そんな風に傷つけたりしないのに。

そんなに強がらなくてもいいのに。




放課後、理佐を呼び出した。

「……小林振ったんだ」

「なんで知ってるの?」

「見たから。なんで振ったの?」

「好きな人いるから…」

好きな人いるなら、小林に期待させるようなことするなよ。

と、怒りを胸に抱いたが、必死に抑える。


「ねるでしょ」

理佐はなんで知ってるの?と疑問を抱いた顔をする。

「告白しないの?」

「する勇気がないの。愛佳こそ告白するべきじゃん」

「……いつかするよ」

「それ絶対しないやつじゃん」


まだしないよ。ってか、告白して振られた人に告白しても、振られるだけってことに気づかないのか?

小林は理佐が好きなのに。

今は、小林を元気にすることしか出来ない。いや、それすらも出来ていない。

「お互い、頑張ろうね」

「うん」

たった、それだけ。理佐と話して、一人で帰る途中。

急に雨が降り始めて、私は濡れたくなくて、必死に走る。

走って曲がった時、ドンッと誰かにぶつかったけど、制服と髪型と少し見える顔であの子とわかった。

「すみま…」

「そんなに強がらなくていいよ」

咄嗟に出たのがその言葉だった。
なんで、その言葉がこの瞬間に出たのか分からない。

だけど、びしょびしょな君を見て、守りたくなったし、早く理佐のことなんか忘れて私だけを見て欲しいと思った。

私の腰に腕が巻きついてきて、今しかないと思って、私は今にも壊れそうな君を、強く壊れないように、熱を伝えるように、抱きしめた。

雨に打たれたせいか、冷た過ぎる身体をこのままにする訳には行かず、いつも通ってる私の大好きなカフェへ君を連れていった。

瞳の奥は枯れていて、感情がないみたいに冷たい眼差しをしていて、私はその瞳をずっと見ていた。

どうやったら、小林は理佐を忘れるだろう。

どうやったら、私の事だけを考えてくれるだろう。

そんなことを考えていたら、小林に話しかけられる。

やっぱり、なんで私は小林に冷たすぎるのだろうか。

話をしている時に、私なら小林をそんなふうに傷つけない。と言いかけそうになった。

でも、言ったところで振られるだけ。
そんなことは分かっていたから、すぐに口を閉ざす。


小林と二人きりで大好きなカフェにいる。
夢のようで、すぐに壊れてしまいそうで怖かった。




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