short

□あいのかたち/3
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GAP/O
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智「・・・ねぇ、今日晩メシ外で食う?」

「うん・・・」

智「んでその後はぁ・・・、ここでする?それともホテル?」




ラグマットの上で頬杖ついた智が、甘えたような顔でソファーに座る私を見上げる。




「いやそれは無しかな・・・」

智「それって?ホテルが?ここが?」

「・・・そうじゃなくて、」




今夜のヤラシイ事しか考えてない智に

普通の声量も出せないくらい、辛い。




智「なに?なんか機嫌悪い?」

「そんなんじゃないから・・・」




できれば、放っておいてほしい。



・・・けどヤラシイ事になるとどこまでもしつこいのは、もうさすがにわかってるつもり。




智「熱でもある?」




私の額に手を当てて「そんな事ねぇな」って呟いた智が

私の頬を指先でツンツンしながら覗き込む。




「熱はないよ。・・・生理2日目です」

智「えっ!?そうなの?・・・先に言えって」




だけど、普段ヤラシイ事ばかり考えてる智が

私の生理が重い事もちゃんとわかってる。

だからこうやって。




智「んじゃあ外でメシは無しだ。出前取ろ?」

「・・・いいよ、食べに行くんでしょ?」

智「何言ってんの?腹も腰も痛いんでしょ?動く事ないって」




月に一度、とびきり甘えさせてくれる。



「俺には辛さわかんないけど、優しくする事はできるよ?」って。王子様みたい。




「せっかくのお休みなのにごめんね?」

智「なんでよ。女として生まれた誇らしい事だって、めい前に言ってたじゃん」




頼んでくれた出前が並んだテーブル。

私の定位置には薬箱から持ってきてくれた痛み止めも一緒に置いてあった。




智「ちょっとでも腹に入れたら薬飲んで横になれよ?」

「うん。・・・ありがとう」




食べ残した私のお皿にラップをかけた智は

軽く洗い物をした後、ソファーにドカッと座って。




智「ほらめい。ここおいで」

「・・・膝枕、今日もしてくれるの?」

智「ここだと少しマシになるんでしょ?」




私の頭を太ももに乗せて、横になった私の髪を撫でる。

これがまた、気持ち良くて。

痛み止めの効果も相まって、心地好い眠りに誘われる。




智「・・・終わったらたくさんしような?」




遠のく意識の中、智の可愛い欲求に

ふふっと笑みが零れた。


end.
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