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□虹の花/4 *satoshi*
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まるで
最初から私にも
その頃の記憶があったかのように
ひとつ、またひとつ。
ふたりで築いた思い出が蘇る。
智「次に生まれ変わる時は、もっと健康な体にしてくださいって神様にお願いしなくちゃ」
「ふふ、そうですね。そうしたらもっともっと一緒にいられますね」
さっきまでは
離ればなれになるのが悲しくて
あんなに涙がとまらなかったのに。
またいつか会える。
そう思えるだけで
不思議と心が穏やかになった。
智「めいさん。愛してる。ずっと。・・・ずっと」
私も。
いつまでも、あなたを愛し続ける。
それから3ヶ月後の15日。
『忘れないで』と、一言だけ残し
智さんは逝った。
穏やかな、綺麗な顔だった。
智さんの
七色に輝く、綺麗な瞳を忘れない。
潮風にサラサラと揺れる、
あの黒髪を忘れない。
私の名を呼ぶ、透き通った声を忘れない。
安心できる、あなたの温りを忘れない。
大丈夫。
大丈夫、智さん。
今度は私が、あなたに会いに行きます。