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□オトナのあいのかたち2
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風邪1/N.O
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「・・・くっしゅっん!」
あぁ、ヤバイかも・・・
ちょっと身体ダルいなぁってバイト入る前から思ってたんだよね。
和「どした?風邪?」
「・・・あ、多分そうかもしれないです。すみません」
和「マスクしてるし、今は事務作業だからお客さんとかには感染しないでしょ」
「・・・だといいんですけど」
ドラッグストアのバイトを始めてもう1年。
飽きっぽくてひとつのところで長く続かない私がここまで働いてこれたのは、仕事仲間に恵まれたからだと思う。
智「・・・いたたた、腰いてぇ」
和「品出しお疲れー」
智「お前もちょっとは手伝えよ」
和「だって今日俺事務だもん。ねぇ?」
「・・・あ、はい」
なんだかんだ言って仲良しなお二人のじゃれ合いを横目で見ながらする事務作業は楽しい。
・・・でも今日はそんな事も言ってられないかも。
心無しかさっきより身体が熱くなってきた気がする。
智「・・・なんか息荒くない?」
和「さっきより顔赤いよ?大丈夫?」
「・・・ちょっと、身体が熱くて」
和「大野さん、救急箱から体温計」
智「おう、持ってくる」
救急箱から体温計を持ってきた大野さんが
「ちょっと計ってみ?」
ケースから取り出して私に渡すと後ろを向いた。
和「音鳴ったね?計れた?」
「・・・あ、はい」
智「何度?そっち向いていい?」
「・・・はい、大丈夫です」
脇から外した体温計をお二人が覗き込む。
和「38度5分ってアンタ」
智「高熱じゃん!とりあえずそっち横になりなよ」
「いえ!閉店までもう少しなんで、このまま仕事します」
グッと両手でガッツポーズをしてみたけど
言った途端にグルグルと目が回った。
和「・・・ああほら言わんこっちゃない」
智「あと30分、ここに横になりなよ」
「すみません・・・」
お二人に支えられて休憩用のソファに横になるのがやっと。
和「終わったら家まで送ってやるから、ちょっと寝とけ」
二宮さんの言葉に頷いて
そのまま瞼を閉じた。