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□黒猫MoonLight/6*satoshi*
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潤「具合悪いの大丈夫?」





あんまり長い間帰ってこない彼女を心配して

みんなで会場を出ると

ロビーのソファでニノと手を繋いで座っていた。





智「そんなに辛いの?」





固く繋がれているふたりの手を見ながら

俺は、恰も「心配してます」という口振りで彼女に問う。





和「・・・ちょっとね?立ってるのも辛いみたいでさ」





・・・お前に聞いてんじゃねぇよ。





イライラしながら彼女に視線を移すと

まるで俺の声が届いてないかのような

力の抜けた顔をしていた。





翔「これから飯行こうかって話してたんだけど・・・めいちゃん、行けそう?」





当の本人は、翔くんの声にもウンともスンとも言わない。





和「・・・めい?飯、行こっか」





そう言いながらニノが彼女の頭をポンポンと撫でて

ニノの目を見ながら「うん」と頷く彼女。








イライラしすぎて


気が狂いそうだ。





触るな。


俺のだよ。














翔「・・・ねぇ、いいの?」

潤「ふたり、ずっと手繋いでるけど」




近くのファミレスに向かう道中も

彼女とニノはずっと手を繋いでいて。



そんなふたりを後ろに気にしながら

ズンズンと先を急ぐ。





翔「後ろのふたり見てみなよ」

智「そんなん見なくてもわかるよ」

潤「ねぇ、智とめいって付き合ってるんじゃなかったの?」

智「付き合ってる・・・と思ってる」

翔「え?思ってるって?」

潤「付き合おうとか言ってねぇの?」

智「そんなん言わなくてもわかるでしょ。特にめいみたいなタイプは」





先に店に入って席に座ると

少し遅れてやってきたニノが目の前に腰を下ろし

その隣に、まるでそれが当たり前かのように彼女が座った。





何でそこなんだよ。

何でニノの隣に座ってんだよ。







俺の苛立ちは、加速するばかりだ。
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