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□虹の花/4 *satoshi*
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長くないという言葉にもっともっと涙は溢れ

涙を拭っていた智さんの手は

声を上げて泣き続ける私を

強く強く抱きしめた。




智「めいさんは忘れてしまったかもしれないけど・・・僕たちは前世でもこうやって抱き合って、愛を語り合っていたんだよ?」




智さんの透き通る声が

まるで子守唄のように



智さんの胸の鼓動と共に

私の耳に響く。





智「この海で初めて出会った日、ひと目でめいさんだってわかった。やっと、やっと会えたんだって・・・」







あの時

胸を抑えながら何かを呟いた、あの時。


『やっと会えた』と

言ってくれたのですか・・・?






智「ずっとずっと昔から、僕たちはこの海で何度も出会って・・・恋に落ちる」












そうだ。

前世で消え入る命の私が

「忘れないで」

「忘れないで」と涙を流すと



『大丈夫。今度は僕が見つけてあげる』



智さんが優しく言ってくれましたね。






また出会えて


本当によかった。
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