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□虹の花/1 *satoshi*
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好きな人に会いに来ただとか

そんな事どうでもよくなるくらいに

めいちゃんに惹かれていて




智「あのさ・・・番号とか聞いてもいいの?」




また会える?

そんな事ばかり考えてた。





「いいよ」




めいちゃんのその言葉に

自分でも、顔が緩むのがわかる。






赤外線でお互いの番号を送りながら


「ケータイって、ほんとに便利・・・」


めいちゃんが、独り言のように呟いた。






「会いたいと思えば電話一本で会えるもんね・・・」




何かを思い出すかのように、じっとケータイを見つめてる。

まるでおばぁちゃん世代のセリフだ。







登録したよ!と笑うめいちゃんに

意を決して聞いてみた。




智「めいちゃん。また、会える・・・?」




彼氏がいたらやっぱそうそう会えねぇかな・・・




「ふふ。私から言おうと思ってたのに。・・・また智くんに会いにくるよ」




そう言ってめいちゃんは

大きなバスケットを持って立ち上がると

風に飛ばされないように麦わら帽子を押さえながら


またね、と

砂浜を歩いて行った。






ストレスが溜まるような息苦しい毎日に

光が、差し込む。


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