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□黒猫MoonLight/4*satoshi*
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「何その堅苦しい挨拶(笑)」
彼女が俺たちを見て
キッチンでご飯をよそいながら笑う。
智「いや、なんかすげぇしっかりした妹だね」
「そうなんだよね。チカもトモも、凄くイイコなの」
3人でふふっと笑う姿は
幸せに満ち溢れてるように見える。
「大野くん、最近よくうちに来てるよね?」
智「・・・あ、気づいてたんだ?ごめんね?今まで挨拶もしなくて」
「ううん、そんなの全然いいの。だってお姉ちゃんの部屋からいつも笑い声聞こえてたから。・・・楽しいんだろうなって思って」
チカちゃんとトモくんは顔を見合わせて
「邪魔しちゃ悪いなって言ってたんだよね?」と笑って
「そんな笑ってたかな・・・?」
二人にそう言われた彼女は
恥ずかしそうにご飯を口に運んだ。
だだ
普通ならばそこに居る筈の
両親の姿はない。
けれど、両親が居ないのに
そんな寂しさを感じさせないくらいに
この兄弟は仲がよくて
彼女がチカちゃんとトモくんを大事に思ってるのが伝わる。
彼女が親変わりになって働く意味がわかった気がした。