過去拍手小話置き場
□囲碁対戦中の二人【好きでごめんなさい】
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【好きでごめんなさい】
■コウヤ小学生時代
「大国さん、大国さん」
「どうした、コウヤ」
「僕、昨日リレーで二番だったんです!」
「そうか・・・良かったな」
「大国、すげえ顔してんで。そんな顔するんやゴハッ」
まだ岸和田はこの時大国に殴られる耐性がついておらず、しばらく気を失ったままだった。
■コウヤ中学生時代
「大国さん」
「どうした、コウヤ」
「あの、家庭科の授業でお菓子を作ったんですが・・・その・・・」
「カステラか。うまそうだな。くれるのか?」
「はい・・・っ良かったらどうぞ・・・!」
「あれ?大国お前甘いモン全般ムリって・・・グハッ・・・なんで殴んねん!」
■コウヤ新妻現在
大国と久々に再会し、囲碁を夜通しやっていたある日の夜。
「大国よお・・・お前ほんまコウヤの顔好きやな、昔っから。別々に夜寝てるんが不思議なくらいや」
「・・・何が言いたい」
「会話はせえへえんクセに、コウヤが下向いてる時いっつもコウヤの顔見てるやん。変わらんなと思って」
「私がコウヤを?は、笑わせる」
――え、コイツ気づいてへんの?自分がどんだけコウヤをガン見してるか・・・怖いんやけど・・・――
「くそ・・・これは、何が起こったんだ・・・岸和田、イカサマでも使ったのか?」
碁の戦局が一転して変わってしまった。大国は苦戦し、碁盤を睨みつける。
「さっき台所行ったとき聞いたんやけど、コウヤの顔あんま見たくないって・・・今年の春ぐらいに言うたらしいな。それ本心なんか?」
「だまれ。碁に集中しろ」
「じゃあコレだけ答えたら黙るわ。コウヤの顔って美人め?それとも可愛い系やと思う?」
「・・・両方を兼ね備えた顔つきだ」
「ほーかあ・・・」
現在進行形で大国とコウヤの夫婦仲に何かしらのいざこざがあったとしても、大国がコウヤを無意識に見ている限り、問題ないんだろうなと思った岸和田だった。