*すみません、どなたですか

□3.遺跡の謎
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3.遺跡の謎

Froggitは種族名なのかもしれない。遺跡を歩いて出くわしたカエル似の老若男女はみんなそろってFroggitだった。
ナキムシやルックスなどの他モンスター(しかし姿は人間)も兄弟姉妹なのかみんなよく似ているようだった。話し方とかは結構違ったけど。

『みんな個性的だね…』

「うん!こんな面白い人がたくさんいるって知ってたら、もっと早くここにきてたのに」

『ちょっとFriskさん?お姉ちゃん、大穴に落ちていくあなたを見て心底心配したんですけど?』

少し責め立てるように言うと、心配してくれてありがとう、と笑顔で言われた。
そう言われたらもう、これ以上責めることはできない。従妹がエンジェル…これはモンペ待った無しですわ。
Friskにチョロいって言われた。

恐らくきっと私がチョロいなんてことはないと思うけど、Friskが言うならいいや。と前へと進む。
さて、次のパズルは何のパズルだったッ、ぇあ⁉︎


ぼーっとしながら歩いていたら、地面が消えた。


『おち、落ちるぅぁぁぁああ〜〜ッ!!!!』

Friskが慌てて手を伸ばすも、届くことはなかった。
受身をする暇もなく背から地に落ちた私に、痛みが襲いかかる……かと思えば。

『まったく痛くない』

体の下にはふわふわと柔らかい感触。
ちょうど私の落下地点に赤い落ち葉が敷き詰められていた。どうやら天然(?)のクッションのようだ。
とりあえず周囲を見渡すと、周囲は狭い部屋になっていて、壁に四角い穴…開いたドアのようなものが2つ見えた。
天井の穴からFriskの声が聞こえる。私の安否を聞いているのだろうか。

『私はだいじょうブヘラッ!!』

無事を伝えようと叫んだその瞬間。上から降ってきた何かが私を潰した。
痛い、重い!
まるで子供が降ってきたかのような衝撃だ。

「Risky!ご、ごめん。大丈夫?」

『大丈夫だ、問題ない!Friskが羽のように軽いから天使でも舞い降りてきたかと思った!!』

私の上にはヨコシマ模様の衣を纏いし天使(Frisk)がいた。

「大変だ…頭を打ったみたい」

『撃たれたのは私の心です』

知覚(・・)できる範囲にはなさそうだね』

「うわ寒っ…ん、あれ出口じゃない?」

私がふざけているうちに、Friskも出口らしき暗闇を見つけたらしい。
少し緊張した足取りで壁にぽっかりと空いた2つの四角い暗闇へと向かう。

どっちが出口かなぁ、と悩むFrisk。
私の背が高ければ肩車で頭上に空いた穴から戻して上げるんだけど…無理なものは仕方がない。
となると問題は、どっちが私たちの落ちた穴の向こうへ繋がっているか。
確か、この暗闇に入れば上の階に戻れるはずだけど……どちらかは穴の手前だ。
穴の手前じゃあ、落っこちた穴を飛び越えなきゃ行けないし、歩き通しのFriskにそんな疲れさせるわけにはいかない。

『よし、ちょっくらやってみるか』

悩むFriskを背に、試しに持っていた木の枝を四角い暗闇に突っ込む。右側の、着た方向からいえば進行方向側の穴だ。
うまくいけば枝が上の階に飛んで、落ちる音が聞こえるはず。たぶん音が進行方向側からすればこっちが出口、逆ならもう一つが出口。つまりどっちにいけばいいかわかる寸法だ。
枝先がゆっくりと闇に飲まれ見えなくなったかと思えば……ふ、と目の前が一瞬暗くなる。

あ。




「──────!!!!!!!」

……どうやら枝を持っていた私も一緒に飛ばされるらしい。
先程落ちた穴の下(・・・)から、Friskの叫び声が聞こえる。

直後に目の前の暗闇から飛び出てきたFriskに涙目で説教された。

ごめん。誤算だったんだよ、木の枝だけ行くと思ってて…
え、言い訳はいいわけ?
あ、いえ、ごめんなさいなんでも無いです。

最終奥義ジャパニーズ土下座は、何やってるのって冷たい目で流された。
すみませんでしたの意です。すみませんでした。
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