スチームパンクファンタジー(仮)

□第二章
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それから暫く経っても、ニナの違和感は解消されなかった。何度考えたって、ずぼらなシオンのことだから、「全て機械がやってくれるなら楽なことこの上ないね、ヨロシク」くらいは言ってのけそうだと言うのに、何をそんな嫌な顔することがあるのかわからないのだった。しかし、それを直接聞くのは何故だかわからないが、あんまり聞いてはいけない気がしたので、ニナはシオンに聴けないでいた。
街では今までと変わらず、普通の男や女と一緒に機械人形を見掛けた。その度にちらり、目線だけ横にやると、シオンはいつも少し、ほんの少しだけ、眉を顰めていた。それはきっと前々からのことで、機械人形の話を聞くまでニナが気付かなかっただけだと気付くのは、そう難しいことでもなかった。
そんなことはあったものの、それ以外には二人の生活に全く変化はなく、唯唯日々が過ぎていくだけだった。
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