短編

□木漏れ陽
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私の好きな人は今日も色んな子に声掛けられてて、それを見るだけで胸の奥が苦しくなるんだ。



『理佐、夏休み海行こ』


理佐「…さっき断ってたじゃん」


『俺は理佐と行きたいからさ』


理佐「…まあ考えとく」



零にそう言い放つと、隣を歩いている茜に小声で声をかけられる



茜「理佐も素直じゃないねぇ…笑」


『う、うるさい』



素直じゃないなんて、自分が一番わかってるよ…



織田「おいおい、彼女の前で他の子口説いていいのか〜?」


茜「オダナナはまーた余計なことを言う…」


『うるさいオダナナ。俺愛佳と付き合ってないから。な、愛佳』


愛佳「え?そうだっけ?」


『おいこら愛佳』



この会話は聞き慣れていて、これに関しては別に思うところは何も無い。強いていえば反応に困るってくらいかな。

だって、私のこの気持ちが零にバレないかって、いつも必死になっちゃう…


教室についても零はチヤホヤされていて、見ててムカつく…



愛佳「りーさ!そんなムスッとしないでよ笑 零とは付き合ってないから!」


理佐「知ってるよ。私がムカつくのはこっち」



愛佳は零の方を見るとあぁ、なんて困った顔をしていて。皆に気を使わせちゃってるんだなって自己嫌悪。



茜「まあ零がモテるのは仕方ないんじゃない?あそこまでかっこよければモテちゃうよ」


愛佳「まあねー。あいつに彼女が出来れば別なんだけど…?」



そう言って愛佳は私の方をわざとらしく見みてきて、これはこれでムカつく



織田「え?だから私愛佳と付き合ってるって大声で言ってたのに」


愛佳「は!?そうだったの!?」


織田「そうだよ!でもだーれも信じてくれないんだよなぁ」


愛佳「まあ織田が言うことは全部嘘に聞こえるからね笑」


織田「やめろやめろ!」


理佐「オダナナにもバレてたの…」


茜「まあ本当にくっつけようとしてる人たちもいるけどね笑 美男美女でお似合いだーなんて言って笑」


愛佳「やめろよー!笑」



愛佳は笑ってるけど、不安な私は笑える余裕なんかない



茜「あ、いいこと考えた!理佐!ちょっと耳貸して?」


理佐「なに?」



こんなに気遣ってくれるなんて。私たちはいい友達を持ったな…
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