短編
□木漏れ陽
2ページ/3ページ
私の好きな人は今日も色んな子に声掛けられてて、それを見るだけで胸の奥が苦しくなるんだ。
『理佐、夏休み海行こ』
理佐「…さっき断ってたじゃん」
『俺は理佐と行きたいからさ』
理佐「…まあ考えとく」
零にそう言い放つと、隣を歩いている茜に小声で声をかけられる
茜「理佐も素直じゃないねぇ…笑」
『う、うるさい』
素直じゃないなんて、自分が一番わかってるよ…
織田「おいおい、彼女の前で他の子口説いていいのか〜?」
茜「オダナナはまーた余計なことを言う…」
『うるさいオダナナ。俺愛佳と付き合ってないから。な、愛佳』
愛佳「え?そうだっけ?」
『おいこら愛佳』
この会話は聞き慣れていて、これに関しては別に思うところは何も無い。強いていえば反応に困るってくらいかな。
だって、私のこの気持ちが零にバレないかって、いつも必死になっちゃう…
教室についても零はチヤホヤされていて、見ててムカつく…
愛佳「りーさ!そんなムスッとしないでよ笑 零とは付き合ってないから!」
理佐「知ってるよ。私がムカつくのはこっち」
愛佳は零の方を見るとあぁ、なんて困った顔をしていて。皆に気を使わせちゃってるんだなって自己嫌悪。
茜「まあ零がモテるのは仕方ないんじゃない?あそこまでかっこよければモテちゃうよ」
愛佳「まあねー。あいつに彼女が出来れば別なんだけど…?」
そう言って愛佳は私の方をわざとらしく見みてきて、これはこれでムカつく
織田「え?だから私愛佳と付き合ってるって大声で言ってたのに」
愛佳「は!?そうだったの!?」
織田「そうだよ!でもだーれも信じてくれないんだよなぁ」
愛佳「まあ織田が言うことは全部嘘に聞こえるからね笑」
織田「やめろやめろ!」
理佐「オダナナにもバレてたの…」
茜「まあ本当にくっつけようとしてる人たちもいるけどね笑 美男美女でお似合いだーなんて言って笑」
愛佳「やめろよー!笑」
愛佳は笑ってるけど、不安な私は笑える余裕なんかない
茜「あ、いいこと考えた!理佐!ちょっと耳貸して?」
理佐「なに?」
こんなに気遣ってくれるなんて。私たちはいい友達を持ったな…