短編

□言葉に隠した想い
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ねるside


零は不器用だ。ガサツだし、面倒くさがりだし、女の子の扱い方なんてまるで分かってない。でも…



『…こいつ…俺の彼女だから。俺の彼女になんか用?』


男「んだよ、彼氏持ちかよ。次の女行こうぜー」


『一人でぶらぶら歩くな…心配したんだからな…』




たまに言うトゲのある言葉に隠れた優しさは、不器用なりに気を使ってくれてるんだなってちょっとほっこりする



長濱「ごめんね?ありがと」


『ん…行くぞ、みんな待ってる』


長濱「ふふっ、うん笑」


『なんだよ…』


長濱「なんも?笑」


『…変なやつ』



そう言いながら前をすたすた歩いている零

少し歩くと私たちのパラソルが見えて、皆がこっちに手を振っていた



愛佳「ちょ、ばか!」


パチン


愛佳が零の頭を叩く


愛佳「なんでそんな周りにガンつけながら歩いてんの!」


『だってさっきのやつらが、』


愛佳「言い訳すんな!すぐ周りを敵に回すんだから…」



愛佳といい理佐といい、零のことよく分かってるなって思う。零は周りのひとに恵まれたね



織田「そうだぞ!ばーか!ばーか!」



オダナナ以外は笑



『なんだとこのやろ、』


パチン


理佐「ダメって言ってんじゃん!もう!」



次は理佐が零の頭を叩く。今の零、子犬みたいで可愛い。笑



でも…



モヤモヤするのはなんでだろ…




その後は皆で海水浴したりちょっとお酒を飲んだりして楽しんだ。そろそろ帰ろうってなったけど零がいなくて



愛佳「またどっかいった…ごめんねる、零呼んできてくれる?」


長濱「うん、わかった」



浜辺を歩いて探していると零が座って海を眺めていて。隣に腰を下ろして私も海を眺める



長濱「なに黄昏てるの?笑」


『ねる…別に』


長濱「零はずっと仏頂面だから、何考えてるかわかんない。ほら、もっと笑って?」


『……』



ここに来たのが零のことをよく理解してる理佐とか愛佳なら、零は笑顔を見せてくれたのかな?なんてネガティブな考えがふとよぎる。何考えてるんだろ、私…



『ねる』
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