短編

□愛の避雷針
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ねる「零?どうしたと?」


『あ、ごめん。実はさ…』




ねるに手紙のことを話すと、寝るも驚いたような表情をしていた




ねる「また始まったの?」


『誰がこんなこと…』


ねる「でも今日は聞きようがないし、明日聞いてみようよ」


『うん…』


ねる「ねえ、駅前にクレープ屋できたでしょ?ねるそこいきたい!」


『うん……』


ねる「零?」


『…っ、ごめん、友梨奈のことが心配で。で、なんだっけ』


ねる「…友梨奈ばっかり。ねるのこともちゃんと見て?」


『見てるよ』


ねる「全然見てない。足りない。もっと見てほしい。零に愛してほしい」


『ねる急に何言ってんの?』


ねる「ねるね…零のこと好き…やから、ねると付き合って?」


『えっ…』


ねる「ねる、本気やから。」




そう言って走り去ってしまうねる。でも俺は友梨奈のことで頭がいっぱいだった


その夜友梨奈に電話する



prrrrrr…prrrrrr




平手「…もしもし?」


『あ、俺。零だけど』


平手「零か…」




友梨奈から安心したような声が漏れる




『友梨奈、ごめん。今日勝手に友梨奈の下駄箱の中見た』


平手「………」


『なんで俺に言わないんだよ。そんなに信用ない?』


平手「そうじゃない。けど。あの人が書いたとは思いたくなくて…」


『え、誰が書いたか知ってんの?』


平手「うん…多分だけど…あの字は……の字だと思う」


『は?冗談よせよ。笑えないって』


平手「………」


『本気で言ってんの…?』


平手「うん…ごめん。だから言いたくなかった」





次の日〜


友梨奈を無理やり家から連れ出し、学校へと向かう。俺は苛立ちと疑問でいっぱいの頭を働かせながら、理由をひたすら考えていた


なんで。どうして。





ねる「おはよー」


『ねる、話がある』


ねる「朝から呼び出し?積極的やね笑」


『いいからこい』


ねるを友梨奈のいる空き教室へと連れてくる


ねる「あ、友梨奈おはよー!」


平手「…おはよう」


『なあ、これ書いたのって…ねる?』




ねるに昨日の手紙を見せると…




ねる「…っ、あははっ!気づくのはやっ!大正解、ねるでーす」


『何でこんなこと…』


ねる「だってそいつ、邪魔だから。」


平手「……っ」


ねる「いつも零の隣。ねるは零のこと好きだったのに。目障りでたまらなかった。だから書いたの」


『ねる……』





友梨奈を落雷のような悲しみから守るために必死だったのに
















俺は君をその落雷に近づけてしまっていたんだ
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