短編

□君の理想に
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次の日の放課後〜


『よし、じゃあいってくる!』


愛佳「え、まじでいくの?」


『は、昨日言ったじゃん』


愛佳「本気だとは思わなかった…」


『行動しなければ始まらないんですよ?』


愛佳「金八先生…」


『ねえ、思うけどさ、俺たちふたりともボケじゃん?ツッコミ役欲しいよね』


愛佳「それはめっちゃ思うけどさ、さっさと齋藤さんのとこ行ってくれば?」


『あ、そうだ。いってきまーす』



齋藤さんは読書部に入っているため、放課後はいつもそこにいる。俺のクラスの窓からだとジャストで見える位置



ゴンゴンゴン



『失礼します』



図書室を見渡すと、齋藤さんが受付のところに座っていた。よし、いくぞ!



『あの、すいません』


飛鳥「…はい?」


『最近小説にハマってて、なんかおすすめとかあります?』


飛鳥「…みえない」


『ん?』


飛鳥「そんなふうには見えないです」


『見た目で判断しないでくれます?』


飛鳥「じゃあ何読んでるんですか?」


『え、ほら、それはえーっと…みつをさんの作品とか…?』


飛鳥「…私をからかいに来たんなら帰ってください。迷惑です」


『ちょ、ほんとに違いますって!なんでそうなるんですか!』


飛鳥「いいから出てって」


『……はい』



アタック失敗。また繕ってしまった…とぼとぼと図書室を出て、愛佳のいる教室まで報告をしにいくと…



愛佳「またぁ?いい加減相手に合わせるのやめたら?」


『そんなこと言ったってさぁ…やっぱ好かれたいじゃん。あ、そうだ。黒染めして制服もちゃんと着れば…』


愛佳「やめといたら?時間の無駄だよ。完全に警戒されちゃってんじゃん」


『そんなぁ…』



まあ愛佳に止められてもやるんだけどね?笑




次の日〜


愛佳「マジで染めてきたよ…」


『どう?似合うっしょ!』


愛佳「いや、なんか金髪見慣れてるから変な感じ」


白石「零くん黒に染めたんだね!そっちの方がかっこいいよ!」


西野「ななもそっち派!」


『ふっ、ほらな?』


愛佳「まーた調子に乗っちゃって…」


『てことで再チャレンジ!』




今日こそは落とすぞぉ!
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