短編

□愛はたったひとつだけだ
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その日から俺は理佐の実家に行くことをやめ、連絡も取らないようにしていた。幸い大学は別のため、顔を合わすこともない




守屋「おーい!零さん!」


『…っ、茜!?びっくりしたぁ!』


守屋「何回も呼んでたんですよ?」




茜は同じゼミの後輩で、良く話しかけてくれる愛想のいい子




『あ。そうだったの?ごめん笑』


守屋「最近零さんずっと上の空だから、心配になっちゃいます…」


『んー、色々あって笑 心配してくれてありがと』


守屋「やっぱり理佐さんと別れたことが原因ですか…?」


『どうだろうな笑』


守屋「またそれ…無理に笑顔作らないでくださいよ…」


『え…』


守屋「どんなに零さんの愛想笑いが上手くたって茜にはバレてますからね笑」


『いやー、参ったなぁ笑』


守屋「だから…私の前だけは素でいてください!わかりましたか!?」


『わ、わかったわかった。ありがと』


守屋「よし!」


『全く、どっちが先輩なんだか…』


守屋「茜はこの関係、気に入ってますよ?」


『じゃあ敬語はやめて笑』


守屋「なんでそうなるんですか笑」


『茜の先輩感半端ないから笑』


守屋「わかった。タメ口でいくね笑」


『あははっ笑 順応するの早すぎ笑』


守屋「その笑顔…」


『ん?』


守屋「茜、零さんのその笑顔の方が好きだな…」


『…っ、変な事言うなよ。笑』


守屋「茜にしか引き出せない笑顔だね!笑」


『調子いいなぁ…笑』




でも理佐とのことがあってからこんなに素で笑ったのは久々だった
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