短編

□選択
2ページ/6ページ



週末〜

毎朝の日課であるコーヒーを注いでいると、七瀬も起きてくる





西野「おはよ」


『おはよ』





挨拶だけ交わして七瀬は朝ご飯を作り始める。あ、出張のこと言わなきゃ。ここのところあんまり話せてないから言うタイミングなかった…




『俺月曜から出張になった』


七瀬「…そうなん?どのくらい?」


『2泊3日だって』


七瀬「…へぇ」


『疑ってると思うけど、浮気とかじゃないからね?』


七瀬「…じゃあ証明して」


『証明って…何見せればいいの?』


七瀬「ん…」




七瀬が目を瞑り、口を突き出してくる。ああ、そういうことね。キスとか全くしてなかったからな

七瀬の唇に俺の唇をそっとくっつける




『…わかった?』


七瀬「うん!じゃあ今日は出張にいる物買いにいかな!」


『だね笑』




その後朝ご飯を食べ、準備をして七瀬と一緒に家を出る




西野「出張なんて初めてやし、何買ったらいいかわからへんな」


『まあショッピングモールいけば揃うでしょ』


西野「せやな。電車でいこ」




ショッピングモールにつき、必要なものを次々と買っていっていると…




白石「零?」


『あ、麻衣。麻衣も出張の準備?』


白石「そう! 出張初めてだから何買ったらいいかわかんないよね笑」


『ほんとそれ笑』


西野「まいやん?」


白石「え!七瀬?久しぶり!」


西野「ほんま久々やんな!」




麻衣と七瀬も同じ大学で、仲はよかった方だと思う




白石「…ふたりともまだ付き合ってたんだ」


『うん』


西野「まって、出張ってまいやんと零で…?」


白石「そうだよ」


西野「そうなんや……」




やばい、また不機嫌モード




『じ、じゃあ俺たちは行くね』


白石「うん。また明後日!」




歩き出して七瀬の方を見ると、やっぱり元気がない




『麻衣とは何もないよ?ほんとに』


西野「…じゃあなんで同じ会社ってこと隠してたの?」


『別に隠してないよ。話す必要ないと思ってただけ』


西野「…あっそ」


久しぶりに楽しい休日を過ごせると思ったらこれだよ…もうほんとに面倒くさい

そのまま何の会話もないまま買い物を済ませ、家へと帰る

出張の服とかなにやらを鞄に詰めていると…




西野「ねぇ…出張、行かんといてくれへん…?」


『はぁ?それは無理だよ。仕事だし…』


西野「せやけど…」


『ようやくプロジェクトを任せられるようになったんだ。ここで失敗はしたくない』


西野「…仕事ばっかり。せやったら好きにすればええやん!」


『………』




部屋を出ていく七瀬を追いかける気力もないほど俺は精神的に疲れていた。この生活、いつまで続くんだろ…
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ