坂道学園 芸能科
□1年生冬休み
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クリスマスパーティーは大成功を納め、幕を閉じた。
翌日からは冬休みに突入し、今日もまた生徒会室へと顔を出す。
白石「…誰か体育館片付けた?」
岩本「私はやってないですよー!」
生田「私も知らないよー?」
皆が互いの顔を見合わせる。沙友理は良くも悪くも顔に出るタイプだな…
『先生方が片付けてくれたんじゃないすか?冬休みって言っても学校には朝から来てるっぽいし』
白石「…なるほど。それならいっか!ラッキーだね!」
何故か会長が俺に向けて眉をあげる。
白石「それじゃあ今日は、」
「失礼する」
生徒会室のドアには40代くらいの男性と女性が立っていた。
生田「パパ、ママ!どうしたの?」
生田父「どうしたじゃない。これは一体なんだ」
副会長の父親が1枚の紙切れを突きつける。内容は副会長が所属してるであろう事務所からのお知らせみたいなものだった。
生田「うっ…それは…」
生田父「どういうことが説明してもらおうか」
生田母「あなた。それくらいに、」
生田父「お前は口出すな」
生田母「…」
生田「こ、これはね…わ、私、芸能事務所からスカウトされて…無断で入って活動してました…」
生田父「お前…芸能の道は諦めろと何度も…!」
生田「ご、ごめんなさい…」
生田父「…年末は帰ってくるんだ。しっかりと話し合わないとな」
生田「はいぱぱ…」
勢いよくドアを閉め、去っていくご両親。
白石「い、いくちゃん?今のは?」
生田「う、うん…私の家ね、おっきい事業をしてて、その後継が私しかいないから芸能の道は無理だって言われてたんだ…でも内緒で入ったんだけど、バレちゃったみたい…」
『…それっておかしくね?』
生田「え?」
『だってここ芸能科っすよ?諦めろって言うならなんでここ通わせてんすか』
白石「いや最もな意見なんだけど、菊池くん。ブーメラン刺さっちゃってるよ?笑」
『…それ俺も思いました。笑 で、なんでなんすか?』
生田「私どうしてもこの学科受けたくて…通わせてくれたら芸能の道は諦めるって約束しちゃったんだ…あー!私馬鹿だぁ!!」
橋本「あらら。やっちゃったね。笑」
松村「後先考えなさすぎやろ…笑」
生田「わ、わかってるから!そんな責めないでよ!!」
『ほんと、馬鹿っすよ』
生田「菊池くんまで!?酷いよぉ!!」
何とかしてあげたいけど…
流石に家庭の事情には介入しずらいな。