短編

□君のためなら
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ん…朝か…


目が覚め、時計を見ると7時半程。眠い…二度寝しよ。また掛け布団を被り、意識が虚ろになっていく…



ガチャ



西野「零ー!朝やで」


『……』


西野「まだ寝てるん?もう…おーい!起きろー!」



大きく揺さぶられ、目が覚める。今日も起こしに来たのかよ…無視無視。



西野「起きへんならななも一緒に寝てまうで?」



そう言いながらベットに入ってこようとする七瀬



『わーったよ!起きるって…』


西野「あ、やっと起きた」


『まじ朝から勘弁しろよ…』


西野「零がすぐ起きへんのが悪いんやろぉ?」


『はいはい…着替えるから下行ってて』


西野「二度寝はあかんからなー!」



七瀬はそう言いながら部屋から出ていった。


七瀬とは産まれた場所も誕生日も同じで、幼い頃から双子のように育てられた



『てか眠い…寝よう…』



そう思い布団を被ろうとすると…



西野「また寝ようとしてないやろなー?」



バレてる…



『はぁ…起きるっつーの』



高校の制服のズボンを履き、ワイシャツを羽織って下へと向かう



母「零。おはよ」


『ん』


西野「挨拶くらいちゃんとせな、」


『はいはいおはよ』


母「七瀬ちゃんはいい子ねぇ?零とは大違い!」


『うっせ』


母さんにそう言い放ち、洗面所へと向った。髪をびちゃびちゃに濡らし、拭きながら歯を磨く


リビングに戻ると朝飯が用意されていて…



『朝飯いらないって言ってんじゃん』


母「食べなきゃやる気出ないわよ?」


『やる気なんていらないし。じゃ行ってくる』


西野「ちょ、待ってよ!」



玄関を出て通学路をひたすら歩く



男1「おい、七瀬さんいるぞ!」


男2「今日も美しい…」


男3「ちょ、誰か告ろうぜ!」


男1「ばか!隣に歩いてるの見えねーのかよ!」


『あ?何じろじろ見てんだよ』


男3「ひっ!すいません!」


男1「ほら!目付けられたじゃん!」


西野「ちょっと!やめてよ」



七瀬は学校でかなりの人気者で。おとこからはモテるし女友達も多い。だから登校中にはいつも視線を感じる



『…あいつらがこっち見てっから、』


西野「ふぅん。ななが他の人に見られるの、そんな嫌なん?笑」


『…何寝言言ってんの?ちゃんと起きてる?』


西野「失礼な!ほんま零はわかっとらんわ…」


『ん?なにが』


西野「なんもー?ばかな零にはわからんやろなー」


『んだとこのやろー』



こんな口論も日常茶飯事で、これがあってこそのいつも通りの朝



女1「あ、零くんじゃない!?」


女2「ほんとだ!かっこいい!」


女1「やっぱり七瀬さんと零くんって付き合ってるのかな…」


女2「確かに…いつも一緒だよね」



こんな風に好き勝手言われるのもいつも通り



西野「零、モテモテやんなぁ?笑」


『どうでもいい』


西野「なに?照れてるん?笑」


『照れてねーわ』


西野「照れてるやん絶対!笑」


『うっせーなー』
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