短編
□三つ巴
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西野「零!起きて!朝屋で!」
聞き慣れた声で目が覚める
『ん…もうちょっと…』
西野「いっつもそればっかりやん…起きへんと置いてくで!」
『七瀬もいつもそればっかり…もう、起きるよ…』
ベットから出ると少し肌寒くて、すぐに布団が恋しくなる
『今日休んじゃだめ…?』
西野「何言っとるん。馬鹿なこと言ってないではよ支度して」
『はーい…』
そう言うと七瀬は部屋から出ていった。七瀬とは、まあ幼馴染って言っていいのかな?七瀬が大阪から俺の家の隣に引越してきて、それからずっと同じ学校に通っている
親同士も仲が良く、俺が朝弱いのを俺の親がチクって毎朝起こしに来てくれるわけ。ってやばいやばい。こんなことしてたら遅刻しちゃう…
取り敢えず制服に身を包み、下へと向かう
『おはよ』
母「あら、おはよう。やっと起きてきた!」
『あー母さん、俺のネクタイどこか知ってる?』
母「あ、ネクタイなら昨日の夜アイロンかけてそこに置いておいたわよ」
『ありがと』
テーブルの上に置いてあったネクタイを手に取り、結ぼうとすると…
西野「なあなあ、ななに結ばせてくれへん?」
『え、なんで』
西野「ええやん!1回やってみたいなって思っとってん」
『別にいいけど…ちゃんと結べんの?』
西野「ななに任せとき!」
そう言って結び始める七瀬。でもなかなか手こずってる模様
『ちょ、く、首絞めてるから!』
西野「あれぇ?おかしいなぁ…」
母「あらあら、新婚さんみたいね笑」
『やめろよ…七瀬と結婚なんかしたら出勤する前に絞殺される…』
西野「なっ!たまたまや!たまたま今日は調子悪かっただけ!」
『ネクタイ結ぶのに調子も何もあるかよ…』
母「はいはい、痴話喧嘩はそこら辺にして、零は早くご飯食べちゃいなさい」
『痴話喧嘩って…いただきます』
朝ごはんを口の中に放り込み、洗面所に向かう
うっわー今日寝癖ひどいな…水で濡らし整え、歯を磨いて洗面所を出ると、七瀬はもう玄関にいた
『じゃあ行ってくんね』
母「はーい、七瀬ちゃんも、いってらっしゃい」
西野「いってきます!」
玄関のドアを開けると気持ちのいい日差しが体全体を照らす。おお、いい天気。今日はなんかいい事ありそうな予感…