短編
□深愛
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俺はいわゆる不良ってジャンルにカテゴライズされている。まあ学校もあんま行ってないし当然だよな。笑
今日も遅くまで街を練り歩き、一通り遊び尽くして家に向かっていると、路地裏から声が聞こえる
酔っ払い「おねぇさぁん!可愛いじゃぁん!」
「ちょっと!やめてください!」
酔っ払い「うるせーうるせー!付き合えやねぇちゃん!」
本当にろくでもない大人ばっか…
『おい。その子嫌がってんだろ』
酔っ払い「あぁ?てめぇなんだよ!」
『酔っぱらいが。酒くせぇんだよ』
酔っ払い「てんめぇ…後悔すんじゃねぇぞ?おいおめぇらぁ!」
その掛け声でおっさんの後ろから10人近くの男たちが顔を出し始める。げっ、こんなにいんのかよ…
めんどいけどまあ仕方ねぇ。正義の鉄槌食らわせてやるか
『お前らこそ後悔すんなよ』
酔っ払い「はっ、いつまでそんな口聞いてられるかなぁ?おい!やっちまえ!」
酔っ払いがそう言うと男たちがこっちに向かって走り出す。向かってくる拳を受け流し、それと同時に溝落ち、顎、スネへとダメージを与える
男1「痛っ…なんだこいつ…!」
男2「チョーシ乗りやがって!」
『いいからごちゃごちゃ言ってねーでかかってこいよ』
男3「ちっ、やるぞ!」
……………
『ふぅ、これで最後?』
酔っ払い「ひ、ひぃ〜…」
『おら、あんたこいつらのボスなんだろ?逃げるとか通用すると思うなよ』
酔っ払い「勘弁して…」
『無理』
そいつの鼻に目がけて思い切り膝蹴りをすると勢いよく後転するおっさん
『後悔した?笑』
酔っ払い「は、はい!もうこんなことしませんから…!」
『最初っからそう言っとけばもっと軽く済ませてやったのに…まあ自業自得だよね?』
そう言って男の顔の形が変わるまで殴る
『大の大人がこういうことやってんの…ほんとムカつくんだよ…』
ズキンズキンとする拳の血を拭い、その場を立ち去ろうとすると…
「あの!すいません!ありがとうございます!その制服、乃木高ですよね?」
『え?あーうん。そうだけど。』
「私、久保史緒里っていいます!貴方は?」
『名前なんてどうでもいいだろ。俺は自己満でやっただけだから。じゃ。』
ここで名前を言わなかったことをあんなに後悔する日が来るなんて、俺は予想もしてなかった