短編
□木漏れ陽
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如月side
強い日差しが照りつける朝。サボりたい。そう思いながら学校への道を自転車で走る
『おはよーう』
愛佳「おっすー」
途中で合流した愛佳と挨拶を交わす
『まーだそのママチャリ乗ってんのかよ』
愛佳「うるせーほっとけ!毎朝同じこと言いやがって…」
『だってサビすぎていつ見ても笑える笑』
愛佳「…いい加減理佐にチクるよ?」
『嘘です愛佳様。あ、暑くないですか?アイスでも食べます?』
愛佳「手のひら返しがすごい。笑」
学校に着き、駐輪場に自転車を置いて校門まで戻ると、理佐と織田と茜がこっちを見ておはよーって手を振っていた
『おはよー』
愛佳「おはよっすー。あ、理佐聞いてよ!朝からこいつがね?」
『おい愛佳!アイス食ったろ!黙りなさい』
愛佳「じゃあ明日も奢ってくれる?」
『…仕方ない』
愛佳「おっしゃ!ハーゲンダッツねー」
『ちょ、それは聞いてない』
織田「今日も朝からアツアツだねぇ??」
理佐「……」
茜「そ、そういうんじゃないと思うけどね笑」
そんなくだらない会話をしながら教室に向かう途中、色んな子に声をかけられる
「零くんおはよ!」
『おはよー』
「今日こそお昼一緒に食べようよ!」
『ごめん、今日もこいつらと食うから』
「連れないなぁ…じゃあ夏休み入ったら海行こ!」
『んー暑いからパス』
「…かっこいい♡」
「わかるぅ!余裕な感じがまたいいよね!」
モテるっていうのは別に悪い気はしない。でも結局は好きな人からの好意が一番嬉しくて。それを手に入れるのに必死な俺は全然余裕なんかないんだ
『理佐、夏休み海行こ』
理佐「…さっき断ってたじゃん」
『俺は理佐と行きたいからさ』
理佐「…まあ考えとく」
織田「おいおい、彼女の前で他の子口説いていいのか〜?」
茜「オダナナはまーた余計なことを言う…」
『うるさいオダナナ。俺愛佳と付き合ってないから。な、愛佳』
愛佳「え?そうだっけ?」
『おいこら愛佳』
愛佳はごめんごめんとか言って笑ってて。笑い事じゃないっつーの…こういう会話で理佐の気持ちがさらに遠くならないか、俺は不安で仕方がないんだ