短編

□だけど好き
8ページ/8ページ




俺は週末奈々未を連れて、奈々未の行きたがってたレストランに来ていた




橋本「本当にお洒落なお店だね」


『ね。なんか豪華』


橋本「料理も今までの人生の中で1番美味しい。連れてきてくれてありがとう」


『違う…』


橋本「ん?」


『今までで1番美味かったのはあの時食べたハンバーガーだった…』


橋本「零?何言ってるの?」


『ごめん、行かなきゃ、』


橋本「ちょっと、どこ行くの?」


『本当にごめん』




テーブルにお金だけを置き、走り出す。



飛鳥に会いたい。

飛鳥の顔が見たい。

飛鳥と話したい。



気持ちはどんどん溢れてきて、俺の体はそれに正直に動いた




飛鳥の家に辿り着き、この前の脚立を使ってベランダまで登る。窓をノックすると…




飛鳥「え、零?どうしたの?」


『飛鳥、聞いてほしいことがあるんだ』


飛鳥「…とりあえず入って」


『お邪魔します』




部屋に入ると、あの時のハンバーガーを思い出す。美味かったなぁ




飛鳥「それで…聞いてほしいことって?」


『俺、プロポーズしない』


飛鳥「え、なんでよ…」


『飛鳥、君はガサツだし、最初は馴れ馴れしかったし、口も悪い』


飛鳥「急に悪口?笑」


『だけど好きなんだ。どんなに悪いところがあったって、それも含めて好きなんだ』


飛鳥「……っ」


『飛鳥…こんな俺でいいなら付き合ってほしい』




目の前で泣き出す飛鳥。でも面倒だなんて思わない




飛鳥「…零は無愛想だし、素っ気ないし、私の気持ちにも全然気づいてくれないし…だけど…好き」


『飛鳥…』


飛鳥「私の彼氏になれ…ばか」


『喜んで』


飛鳥「じゃあ…付き合った証」




そう言って飛鳥は目を閉じる。俺は気持ちに正直に、体が動き出す。



そして俺たちは何時間とも感じれるような、深いキスをした














俺は本当の愛がどんなものなのか知らなかった。でもそれを教えてくれたのは…君だった。













嫌なところを見ても、それでも好きって気持ちを抑えられない。





















あなたは今付き合っている恋人の嫌なところを見ても、好きでいられますか?












「だけど好き」



この言葉が、








本物の愛のキーワード。



END


次の章へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ