短編
□君の理想に
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『可愛いなぁ』
そう呟いてしまうほど可愛いのは斎藤飛鳥さん。高校の後輩なんだけど、一目惚れしてしまった
愛佳「まーた言ってるよ笑」
『なんだよ』
愛佳「零じゃ付き合えないって。チャラいって噂されてるよ?」
そう指摘してくるのは志田愛佳。俺の幼馴染で、産まれてからずっと一緒にいる。学校でも常に一緒
『俺チャラくないでしょ?』
愛佳「んーやってることは別にチャラくないんだけど、その格好どうにかしたら?」
俺はブレザーを着崩し、髪も金に染めている。前付き合ってた子のタイプに近づこうと必死だったんだ。でもそんな繕った関係は上手くいくはずもなく、あっさり振られてしまった
『なんかこの格好の方が楽だって思い始めちゃってさぁ』
白石「あれ?零くん、まだ帰らないの?」
西野「あ、ほんまや。まだおったん?」
窓際で愛佳と話していると、後ろから声をかけられる
『あーうん。愛佳とさ、イチャイチャしようと思って笑』
白石「え!そういう関係だったの!?」
西野「いつから付き合ってたん!?」
愛佳「ち、違うよ!?ばか!何言ってんの!」
『ごめんごめん笑 イタズラでしたー笑』
白石「なんだ…よかった。じゃあまた明日ね」
西野「またなー」
『はーい。七瀬も麻衣もじゃあねー』
愛佳「前言撤回。やっぱやることもチャラいわ」
『何がやねん!普通に話しただけでしょうが』
愛佳「どうだかなぁ」
『てかさ、明日齋藤さんに話しかけてみようかな』
愛佳「お、ようやく?」
『やっぱ見てるだけじゃ始まらないよね』
愛佳「おー、がんばー」
『ちょ、適当すぎない!?』
愛佳「そんなことないよー、はい帰るぞー」
『ぼ、棒読み感半端ない…』
その日俺は話かけると決意をして愛佳と帰路についた