短編
□選択
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リビングに七瀬を連れ出し、立ったまま向き合う
西野「話ってなに…?」
『俺、麻衣に告白された…』
西野「……っ」
『でもその後に頭に浮かんだのは七瀬の顔だった…いくら考えても麻衣の顔じゃなく、七瀬の顔だったんだ』
七瀬の今流している涙は、どの涙なんだろう…
『正直最近まであんまり上手くいってなくて、この生活から抜け出したいって考えた時もあった。でも、今回のことで気づいたんだ。俺は七瀬のことを…愛してるって。』
七瀬の前に跪く
『俺はどんなに嫉妬されようが、誰かに邪魔されようが、七瀬のことを愛しぬくって誓う。絶対に幸せにするって誓うよ。だから…俺と結婚してください』
こっちに帰ってきてすぐに買った婚約指輪を差し出す。驚いた顔をしながら泣く七瀬。
西野「……なな…別れ話かと思ってっ…」
『不安にさせてごめん…でも、この気持ちは確かだから』
西野「もう!零のばかっ…!」
『それで…答えは?』
西野「もちろん…イエスだよ?」
『七瀬…』
俺は七瀬を抱きしめる。強く、でも優しく、壊れてしまわないように
西野「…はめて?」
『…うん』
七瀬から離れ、また跪き左薬指に指輪をはめる。めちゃくちゃ緊張するな…
西野「かわええなっ…零…大好きだよ?」
『俺は大好きじゃない…』
西野「えっ…?」
『愛してるよ…』
西野「…っ、ななだって…んーん、ななの方が零のこと、愛してる…」
そして俺たちは世界一静かで、世界一幸せなキスを交わした。
きっとこれからも沢山の選択があり、沢山の間違いを犯していくだろう。
でもこの選択に間違いはない。
そう確信したんだ。
END.