短編
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俺には大学時代から付き合ってかれこれ5年の彼女がいる。可愛いし、気が利くし、何でも出来てしまう子。だけどめちゃくちゃ嫉妬深くて最近疲れる…
『ただいまー』
玄関を開けリビングに行くとそこには不機嫌そうな七瀬がいた
西野「…おかえり。遅かったな」
『ごめんごめん、新しいプロジェクト任されててさ。最近残業ばっかで』
西野「そんなこといって他の子と遊んでたんとちゃうん…?」
『またそれ?そんなわけないじゃん…』
西野「だって……!!」
最近残業で遅くなるといつもこうだ。不安なのはわかるけど…残業ばっかで疲れてて、ちょっと面倒だなと思ってしまう
『じゃ、お風呂入ってくる』
西野「ななもいく!」
『…わかった。おいで』
ひとりの時間が欲しい。安らぎが欲しい。この時はそんな思いでいっぱいだった
次の日〜
会社に出社すると俺のパートナーと挨拶を交わす
白石「零、おはよ!」
『麻衣、おはよ』
麻衣とは大学から一緒で、この会社にも同期で入り、今は俺たちにプロジェクトの指揮をという話がよく回ってくる
白石「出張の話、聞いた?」
『出張?全く聞いてない』
白石「嘘?今私たちの担当してるプロジェクトに必要なプログラミングを受けてくれるっていう方に挨拶と打ち合わせってことで京都まで出張らしいよ?私たち」
『私たちってことは俺と麻衣?』
白石「うん。来週の月曜から2泊3日だって」
『もうすぐじゃん。急だなぁ』
白石「まあ私たちが指揮してるプロジェクトだし、仕方ないんじゃない?」
『そうだな。じゃあその時はよろしく』
白石「うん。じゃあ早速チーム集めて作業に取り掛かろっか」
『かしこまりました姉御。笑』
白石「その呼び方やめてって言ってるじゃん!もう!笑」
この時期、家に帰っても癒されない俺にとって、麻衣とのくだらない会話は唯一癒しだった