短編

□三つ巴
3ページ/6ページ




その日の放課後


今日は始業式とロングホームルームだけで、お昼頃には終わっていた



『終わったぁ…なあ、この後飯でも行かない?』


友達「わり、俺このあとデート。笑」


『このリア充が…』


友達「まあそう僻むなって!お前には西野さんがいるじゃん笑」


『幼馴染だっつーの』


友達「あんな可愛い幼馴染がいたら万々歳だろーがよ!んじゃ、また明日な」


『おう、デート楽しめよー』


友達「さんきゅー!」



はぁ、家に帰ってカップ麺でも食べよ。そんなことを考えながら廊下に出ると誰かが俺の名前を呼ぶ



「如月くん!」


『ん?白石さん?』


白石「この後なにか予定あったりする?」


『特にないけど…』



白石「じゃあさ、お昼食べに行かない?」


『えーっと…誰と?』


白石「私しかいないでしょ笑」


『いいけど…急にどうしたの?』



あの学年人気ナンバーワンの白石さんが俺とご飯って…なにか裏があるにちがいない。何かの罰ゲームとか…



白石「如月くんとは仲良くなれそうだし、今日がチャンスかなって思って笑」



まじかよ…



「如月さん」



廊下の方からまた俺の呼ぶ声が…



『えーと…どちら様で?』


飛鳥「今日道案内してもらった齋藤飛鳥です」


『あー今朝の!どうしたの?』


飛鳥「今日のお礼がしたくて、このあとご飯行きませんか?私が奢ります」


『え、まじでいいよお礼なんて』


飛鳥「自己満足なので、そこは気にしないでください。タダ飯が食べれる程度に考えていただければ」


『えぇ…』


白石「あの…さ、この子は?」


『あ、ごめん白石さん。この子新入生の子。今朝迷子になってたから学校まで一緒に来たんだ』


白石「そうなんだ…」


飛鳥「あなたこそ誰ですか」


『なんでそんな喧嘩腰!?この人は白石麻衣さん。俺と同じクラスで、』



その時、俺の携帯の着信音が教室中に響き渡る。画面を見ると七瀬からだ



『もしもし?』


西野「もしもし零?まだ教室?」


『そうだけど』


西野「おっけーわかった!今からそっち行く!帰りにファミレスでも寄ってこ!」


『いや、今は来ない方がいいかも…』



七瀬がこの光景を見たら拗ねるに違いない…



西野「…なんで?」


『えーっと…俺がそっち行くから!今どこ?』


西野「玄関やけど…」


『わかった!待ってて!』


西野「ちょ、零、」



七瀬の返答が帰ってくる前に電話を切る。何なんだこの状況は…一体誰を選べば…
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ