ジョジョ

□4
1ページ/1ページ




ディオは“あの連中には関わるな”、と

言っていたが…何故そんなに口煩く言

うのだろう、と道中を歩きながら首を

傾げる。







「あ、ぁッ〜…名無しさんおば、じゃな

くって___名無しさん、さん!」








「っえ、と…貴方はこの間の」






御近所何だから会わない方が難しいよ

ね、と思いながら内心呟く。

相手は何か言い掛けるも、直ぐにぎこ

ちなくだが私を呼ぶ声に振り返ると、

この間家に来た内の一人___そう言え

ば、名前聞いてなかった。






「あ、俺は“ジョセフ”。呼び捨てで構

わねぇからさ、沢山呼んでくんない?」







人懐っこそうな笑みを浮かべながら、

自身の顔を指差しては「Call my

name」と、流暢な英語で求められたので





「え、っとジョセフ…?」







しかし、残念ながら私はそんなに流暢

な英語は話せない為、辿々しさが残る

声で呼ぶしか出来なかった。

内心恥ずかしさで一杯だったが、目の

前のジョセフは嬉しそうに「もーいっ

かい」と言うので、再度名を呼ぶと、

一層笑みを深め笑っていた。






「…(そんなに名前呼ばれるの好きなの

かな)」







変わった趣味してるなぁ、と思ってい

ると、ジョセフは私が手に持つ荷物を

指差すと






「あれ、名無しさんさん買い物して来

た感じ?やけに多いけど」






「其はディオが沢山食べるから、此く

らい買わないと間に合わなくて。あ、

ディオって言うのはこの間___失礼な

事言ったよね、ごめんね。不愉快な思

いさせちゃって」








話の流れでディオの名前が出てくると

ハッと、してはこの間の事を謝る。

あんな分かりやすく…否、あんな風に

言うなんて失礼過ぎる。



謝るように頭を下げると、頭上から困

惑するような声が聞こえてきた。








「え、ッ……?ちょ、待って待って___

ぇ、そのディオと、名無しさんさんは

〜…家族か何か?」







「家族、みたいな存在かな。小さい頃

からよく、遊んだりしてたし。

所謂“幼馴染”なの、大学まで同じ何だ

から驚いちゃうけど。」







笑って返す私とは反対的に、ジョセフ

は苦い顔をしながら頭をがしがしと掻

いては私を瞳に移し







「こんな事言うのもさ、アレなんだけ

どぉ___騙されてたり、してない?そ

の、俺もさアイツの事は多少足りとは

知ってンだけどさ、ぶっちゃけ性格悪

いぜ」








真顔でドストレートに投げられた言葉

に呆気に取られるも、私は思わず吹き

出しては笑ってしまった。




其の反応に驚いたのか、ジョセフは困

ったように「名無しさんさん!?」と溢

していた。





私は真っ直ぐに、ジョセフを見詰め








「知ってる、ディオが性悪なのも口が

悪くて、頭に血が上ると直ぐに手を出

す癖が有るのも___他にも沢山知って

る。」








“ありがとう”と告げ笑うと、目の前に

見える自分の家へと脚を進める。

後方でジョセフが何か言いたそうにし

ていたが、私は振り返らずにその場を

後にした。











「___ジョセフに会ったのか?」







「そう睨まないでよ、買い物帰りに偶

然会っただけなんだから」







ディオに今日の出来事を伝えると、直

ぐに顔を顰め「何か言われなかった」と

言われたので、肩を竦めながら「ディ

オの事良く知ってるのね」と答えると






「何だ、何て言われた。」






「ん?“性悪”だよねって、話を少々___」







普段のディオなら爽やか好青年を演じ

るのに、“あの”人達には私に見せる自

分で接しているディオに、少しのモヤ

モヤと「良かった」という思いで私の心

は溢れかえっている。








「った、も〜…何で叩くの」








「誰が“性悪”だ、訂正ぐらいするだろ

普通」






少し不機嫌そうな顔をするディオを眺

めながら軽く「ごめんごめん」と受け流

すが、ディオから今度はデコピンが飛

んできた。






 

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ