ジョジョ

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※シージョセ表現有り.切甘気味
軽くR18発言含む為閲覧注意※








付き合って三ヶ月、其の記念日に私は

衝撃的な光景を目の当たりにする。







三ヶ月、ともなると相手の嫌な所も次

第に見え始め別れてしまうケースが多

いらしい。

そんな記事を雑誌で読みながら、私も

気を付けないと。と、何処か他人事の

ように思っていた。






私は彼に内緒で彼の家に来ている。

今日は記念日、少し驚かしてやろうと

クラッカーと少し小さいが二人で食べ

るには丁度良いホールケーキを用意した。

きちんと彼の兄であるジョナサンさん

に許可を貰い、見慣れた部屋で彼が帰

って来るのを待機している。







「そうだ、隠れておいて部屋にジョセ

フが入ってきたらクラッカー鳴らしち

ゃお」





想像の中でジョセフが驚く姿を思い浮

かべ、用意したケーキとバックと共に

滅多に開けられないであろうクローゼ

ットに身を隠す。



ジョナサンさんに靴も隠してもらえた

し、此はジョセフの反応に期待できそ

う。内心笑っては、今か今かと胸を高

鳴らせる。







少し経った後に、誰かと喋りながら部

屋に入ってくるジョセフを扉の隙間か

ら確認する。

どうやらシーザーと一緒らしく、楽し

そうに二人、ベットに腰掛けていた

が……異様に距離感が近い、其に…シー

ザーはまるで女性を扱うような優しい

手付きでジョセフの頬を指先で撫で、

其のまま髪を梳かす。






「……(え、何これまるで___)」







“恋人みたい”







目の前の光景に唖然としていると、二

人は互いに身を寄せ合い唇を何度も重

ねてから、何方共無くベットへと身体

を沈め次第に甘く喘ぐような声が部屋

を包み込んだ。





完全に飛び出すタイミングを逃した私

は、只クローゼットに身を隠したまま

目の前で擽ったさに身を捩る彼氏の姿

に只々、ショックで頭が真っ白に成っ

た。






「っ____(ダメだ、此のまま居たら最

後まで見てしまう破目になる)」






今は未だ軽い触れ合いだが、徐々に此

からどうなっていくのかを考えると、

飛び足すには今しか無かった。

固唾を呑み、クローゼットを勢い良く

開けると____ベットでじゃれあう二人

と視線が重なった。



衣服は軽く肌蹴ているものの、最後の

砦である下はキチンと穿いているのを

確認すれば、「良かったまだ事には運

んでないようだ」と息を吐く。







「っ、ぇ?あ、名無しさん何で____」







「……今日、何の日か覚えてないの?」








顔を青くさせる二人を見詰めながら、

辿々しく私の名を呼ぶジョセフに聞き

返すと、少しの間を置いてから「っそ

の、忘れてた分けじゃ!」と焦りが混じ

った声が返ってきた。






忘れてたのか、此の男は。三ヶ月も一

緒に居て、其の記念日に浮気__しかも

相手は彼氏の親友、そう思っていた相

手だなんて、目頭が熱くなり鼻を啜

る。







「すまない!本当に、すまないと思って

るッ……!悪いのは俺なんだ、だから…ジ

ョジョじゃなく俺を責めてくれ」







そう告げたシーザーは床に頭を付ける

ように座り、何度もすまない、と繰返

し言葉を続けた。


其を見ていたジョセフは首を横に振り






「お、オレが悪いんだって!だから、

さ!」







互いに庇い合う姿に私は、まるで自分

の方が悪い事をしているような感覚に

陥った。






「何時から、こういう…関係なの」






震える声で、しかし責めるような口調

で告げる言葉に口を開いたのはシーザ

ーだった。





「二週間、位から前だ…俺からジョジョ

に告白した。名無しさんには、悪いと

思っていた。だが____」







「っ知ってて付き合ってたの?ねぇジョ

セフ、どうしてッ…」







シーザーの言葉を上から消すように口

を開き、ジョセフを真っ直ぐに見詰め

る。

ばつの悪そうな、何とも言えない表情

を浮かべながらジョセフは言いづらそ

うに唇を動かし








「ごめん」






そう一言だけ残し、黙り込んだ。





 

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