小説(Ange)
□天使の贈り物(オスカー)
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・・好きになっては・・いけなかった・・・・・・。
どうして好きになってしまったのだろう・・・
届かぬ思いになることは、わかっているのに・・・・・。
だって、あなたは守護聖様なのだから・・・。
* *
「ねぇ、ミッシェル!あなた確か、オゾウゾ山詳しかったわよね?」
炎の執務室長のルミナスにそう言われて、ミッシェルはうなずいた。
「はい、よく知っています。」
「じゃあ悪いけど、明日オスカー様を案内してくれないかしら?」
「えっ!・・」
「無理かしら?」
「・・・いえ、・・わかりました。」
「じゃあ、お願いね!」
ルミナスのお願いには命令じみたところがあり、一使用人としては断ることは出来なかった。
(・・オスカー様と1日二人っきりだ何て・・・・、どうしょう・・。)
ミッシェルは炎の館のメイドをしていた。いつもは、掃除や買い物、食事の支度などで、あまり守護聖と関わることはない。だがオスカーは、そんなメイドにも誕生日のプレゼントや、何かあると花をくれたりて気を使ってくれた。勤め始めた当初は、オスカーの優しさに惹かれていったミッシェルも、段々とそれがプレイボーイ特有の気配りだとわかってきた。それでも好きになり始めた思いは、止まらなかった。
(1日一緒にいたら、・・きっともっと好きになってしまう・・・・。これ以上、好きになったらどうしよう・・・。)
抑えきれなくなりそうな感情を、もてあましそうになりそうで、ミッシェルは怖かった。