読み物
□いつもと違う場所で……
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「……っあ……! これじゃあ……!報告できない……! ああっ……!」
ピクンと身体が大きく跳ね、報告書を握りしめている指先が小さく震える。
もう、かれこれ小一時間はこの状況が続いている。
エドワードはこの執務室に、報告をしに来たのだ。
それなのに、こんなことをされては一向に作業報告ができない。
栗色が僅かに混じった金髪を優しく撫でられ、鬼灯がチュッと軽くリップ音を立て、エドワードの左肩と首筋に赤い華を残して行く。
快感に堪えきれなくなったったエドワードは鬼灯を睨み付けるとつい、いつもの調子で、暴言を吐いてしまった。
「んあっ……! も、もう……やめろって……! へ、変態っ!!」
その言葉に、鬼灯が呆れたような溜め息をつく。
「はぁ、その言葉づかい。なんとかなりませんか? 傷つくでしょ?」
きっぱりと言われてしまい、エドワードの目尻からは悔しさからか、涙が溜まっていた。
「ううっ……!」
霞む視界の中で報告書を握り締めるエドワードは鬼灯から与えられる甘美な快感に、惑わされるか! と懸命に耐える。
「ほら、エドワードさん。悪い事を言った場合はどうするんですか?」
「っあ……! あっ……! ごめんなさい……!」
鬼灯が意地悪そうに問いかけ、下に着ているタンクトップを軽く捲り上げ、露出した小さな突起が摘ままれる。
先程まで外回りに出でいた鬼灯の指先は冷たい。
「ひやっ……!!」
まるでアイスのようにひんやりとしている指にエドワードは思わず、ビクッと身体を大きく跳ねさせた。
「素直でよろしいです。エドワードさん。そろそろコッチも欲しくなってきたでしょう?」