ランシーン夢
□おまじない
1ページ/1ページ
その日、私は友人からある異世界に行けるというおまじないの話を聞いた。
「月の出ている夜にコップに水をいれてそばに置き、祈るように行きたい世界の事を思い、強く願いながら「神様、神様、お願いします。○○の世界へ連れていってください」と唱えると連れていってもらえる」
という話をおしえてもらった。
私はおまじないが好きだけど、実際にやることはあまりない。やったとしても欲しいものが手に入るとかそんなかんじのもの。
だけど、今回のおまじないの「行きたい世界へ行ける」というフレーズになんだか惹かれてしまった。行きたい世界へ行けるなんてありえないし無理ってわかっているけれど…
でももし、もし行けるとしたら…
友人から話を聞いたその日はたまたま月が綺麗に出ていて、雲一つもない夜だった。
水を用意するだけの簡単なものだし、私は早速そのおまじないを試そうとコップに水を入れベランダに立った。
コップをそばに置きお祈りをするように手を合わせる。
「…神様、神様…お願いします。私を…『レジェンズ』の世界へ連れていってください…」
願い事の呪文を唱え終える。
…しかし特に変化もなく、あたりは静けさに包まれる。
なんだ、やっぱりただの噂か…
と考え片付けて寝ようと思うと、突然意識が遠の視界が暗くなった。