白西
□秘密の関係
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白石side
私と七瀬は運命的な出会いを果たしたと思ってる。群馬と大阪から出てきた歳も違う2人が東京のアイドルグループで出会ったのだ。
「誠の恋をするものは、みな一目で恋をする。」
昔の誰か偉い人が言っていたこの言葉が身にしみる。一目見た時から私は七瀬に恋をした。私たちは赤い糸で繋がれてると確信してる。
七瀬は人気者だ。ファンの人からはもちろんメンバーからも。
かずみんや生駒ちゃん、スイカメンバー。色んなメンバーが七瀬の周りには集まる。そんなまとわり達にも優しい笑顔を向ける七瀬。
本当なら七瀬に近づく私以外の全ての人間を排除したい。私の七瀬に近づかせたくない。
そんなドス黒い感情を抑え込み、人気者だからしょうがない。そう自分を納得させている。
家に帰ると、私と七瀬のツーショットが私を出迎える。さっきまで会っていたのに3日後に会える予定が待ち遠しくてたまらなくなってしまう。
待ち焦がれて待ち焦がれて今日も眠ることができない。
眠れないから、もうすでに何十回と繰り返し見た七瀬が出てる番組の録画をつける。
白「あんまりお仕事中にこっちを見てちゃダメだよ、七瀬。皆に気づかれちゃうよ…?」
カメラを通して私に視線を送り続ける七瀬にそう注意しながら私は幸せな気分に浸る。
こうして私は意識が落ちるまで画面越しの七瀬を見つめ続けるのだ。
翌日
七瀬、ヤキモチ焼きの私を許してね?
私の手には七瀬が今朝出したゴミ。
それを車に乗せて自宅へと戻る。
七瀬は浮気なんてしてないよね?離れて暮らしてるけど私はいつも見てるよ?
七瀬の声も身体も寝顔も心も全部。1つ残らず愛してる。全てが私のものだ。
他の人たちは私のこの感情を妄想と呼んで笑うだろう。
違う。
他の人が何と言おうとシャイで私への思いを表現できない七瀬と私の秘密の関係なのだ。