白西
□すれ違う想い
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西野side
きっかけはいつもと同じ大したことはないことやった。
ななが楽屋でスイカメンバーとわちゃわちゃしてたことにまいやんが嫉妬したってだけ。
でもいつもと違う結末になったのは、なながまいやんだってまっつんや美彩たちとはしゃいだりしてるのにななにだけ言ってくることに我慢ができなくなったから。
そして、まいやんが「別れよう」って言ってきたから。
まいやんからそう言われた時、ななは身体全体から力が抜けた気分やった。
告白されて、一緒に住もうって言われて、正式に結婚はできないけどお互いお揃いの指輪を左手の薬指にはめて一生ななとまいやんは一緒やってそう思ってたのに。
売り言葉に買い言葉。
西「そうやな。やったらなな荷物まとめて出てくわ。」
そう答えてしまった。
もしも素直に嫌やって言えてたら変わってたのかもしれへん。いや、そう答えてもまいやんは引き止めてくれるって勝手に期待してたんや。
それでもまいやんは引き止めてはくれなくて。
ななが新しく住む家をリビングで探してたりしててもまいやんは何も言ってこなかった。
何日か経って住む家も正式に決まってななはとうとう明日、このまいやんと過ごした家を出ていくことになった。
ケンカした日以来、まいやんとは仕事以外で口をきいていない。
夜、ななより先にお仕事が終わってベッドに入っているまいやんに声をかける。
西「なぁ、まいやん…」
白「………何?」
西「この家も最後やし、一緒に寝て良い?」
そう聞くとまいやんは少しだけ肩を震わせたように見えた。でも気のせいやろう。きっとまいやんはずっと前からななのことは好きやなくなってたはずやから。
そう思うと、ずっと一途にまいやんだけを思い続けてた自分が悲しくなって涙が出そうやった。
白「…いいよ。」
ややあってまいやんが小さな声でそう答えてくれる。
西「ありがとう。」
まいやんが少しだけ動いてくれて空いたスペースに身体を潜り込ませる。
初めはお互い相手に背中を向けて寝ていた。
けど、、、最後やし、、、
思いきって反転してまいやんの背中にくっつく。
まいやんが背中を向けているからか、今なら素直に何でも言える気がして寝ているであろうまいやんの背中に思いを全部言おうと思った。
西「まいやん…寝てるかもしれへんけど…ななはまいやんのことずっと好きやったよ。まいやんがななのこと嫌になってからもずっと…。ごめんな?嫌がられてるの気づかんくて。でも何も言わずに出ていくのは嫌やったから…じゃあ、おやすみ…。」
何だか全てを打ち明けたらスッキリとしてななはそのまま夢の世界へと堕ちていった。
朝になっていつもなら、ななの方が遅く起きるのにまいやんは起きてなくて、ななは荷物を持って寝室のまいやんを振り返る。
西「まいやん…やっぱり見送ってくれんよな。」
まいやんがくれた指輪を左手の薬指から抜き取ってリビングのテーブルに置く。
そしてその下にまいやんが起きた時に読んでくれるようにこっそりと書いておいたまいやんへの最後のメッセージを書いた手紙を差し込んで家を出る。
ありがとうまいやん、少しの間やったけどななはほんまに幸せやったよ。さよなら。