噂の五人姉妹

□体育祭!!
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気温28℃、天候は雲ひとつ無い晴天、
絶好の体育祭日和だ。

選手宣誓も終わり、本格的に体育祭が始まった。

若「Siro。そろそろアップしに行こ」
「あ、うん」
「あ、あの!」

リレーのためアップをしようとタオルをカバンから取り出していると後から声がした

あー、若月また写真頼まれてるのか
若月も大変だなぁ、、、

モブ1「え、聞こえてない、、、?」
モブ2「もう1回言った方がいいんじゃない?」

全く、若月ったら1枚くらい撮ってあげても良いのに、、、仕方ない、私が手伝ってやるか

「若月、私先に行ってるからさ、その子達と撮ってあげなよ」
若「え?何言って」
「大丈夫大丈夫!玲香には黙っててあげるから!ね?」
若「あ、いやそーじゃなくて!ちょSiro。ー!?」

若「あれ絶対勘違いしてるよ」
モブ1「うぅ、、、市川先輩に言ったのにぃ」
モブ2「仕方ないよ、まだチャンスはあるよ…会長達にバレなければだけど」
若「あ、君たち早く逃げ「ちょっとそこの2人」」
モブ1、2「か、会長、、、」
若「あちゃー見つかった…」
麻「市川先生でしょ?それより貴方達これが違反だって把握してるよねぇ?」
モブ1、2「ひぃっ!す、すいませんでしたぁ!」
麻「あ、こら、待ちなさい!」

若「Siro。今頃いい仕事したなぁとか言ってそう、、」
中「ふふっ、私の本能がSiro。について行けと言っている、、、」
若「わっ、びっくりしたぁ、花奈いたの?」
中「Siro。がいる所に中田あり!」
若「あれ?なんか花奈キャラ変わってない?」
中「あの5人姉妹が集まる機会なんてそうそうないからね、これは神様が私にくれたチャンス!生かさないでどうする!」
若「あ、うん、ただの体育祭だけどね?」
中「まてぇー!Siro。!」
若「あらら、行っちゃったよSiro。も大変だなぁ…」

その頃Siro。は、、、

ふふふ、私いい仕事したなぁ〜
っと開脚をしながらニヤニヤしていた。

「いてて、やっぱり体硬くなってるわ」
ぐっぐっ、と徐々に前に倒していると背中を思いっきり押された。

「いたたたた!痛い痛い!え、誰!?って七瀬お姉ちゃんか」

七「何ニヤニヤしてんの?」
「ニヤニヤなんてしてないよ」
七「ふーん、ま、ええけど、なぁ、姉ちゃん達なんの勝負してるん?聞いても教えてくれないんやけど」
「あー、これ言っても良いのかなぁ」
七「言わんともう1回思いっきり背中押すで」
「い、言う!言うからやめて!」
七「よろしい」
「かくかくしかじかってことがあったんだよ」
七「、、、」
「いった!痛い痛い!なんで押すの!?」
七「ななだけ蚊帳の外とか絶対許さん」
「ご、ごめんって」
七「はい、じゃあごめんなさいのやつやって」
「え、でも今学校だし、、、」
七「もう1回押したろか?」
「すいませんでした」
ーーーーーーー
うちのルールその、、、6くらい
悪いことをした時は、謝るのと同時にほっぺにキスをする

ーーーーーーーーーーー
私の肩から七瀬お姉ちゃんが顔を出し、ほっぺにキスをした。

カシャカシャカシャカシャ

「え、シャッター音?」
七「あ、中田さんや」
中「すいません、空を撮ってました」
「いや、ここ室内だけど!?」
七「まぁええやん、中田さんには空が見えたって言うんやから、なぁ、中田さん?」
中「はい!見えました!」
「えぇ、、、いや、まぁ、別にいいけどさ…」
七「じゃあ、ななも、エントリーしてくる、ばいばいSiro。」
「んっ、もう、ここ学校だってば!キス禁止!」
七「へへっ、あ、中田さん、来週楽しみにしとるな」
中「ふふふっ、任せてください、最高画質でお届けします…」
「え?なに?何言ってんの?」
七「Siro。には関係ないことや、じゃあ、リレー頑張りや!」

さっきも注意したのにまたキスをして行ってしまった。
花奈もさっきからカメラ見てニヤニヤしてるしって、やば、もうリレー始まるじゃん!

若「あ、Siro。やっと来た!もー、めっちゃ心配したわ」
「ごめんごめん」
若「もうすぐ入場だから早く並んで」
「りょーかい」

入場すると、黄色い声がめちゃくちゃ聞こえたきた。

大半は若月に向けられたものだろう。
何となくムカついて、若月の背中に人差し指をすぅーっと滑らせた。

若「ひゃっ!」
「ふっ、ふふふっ…」
入場しているため、後ろを向く事が出来ない若月は小さい声で後で覚えとけと言ってきた。

体がぶるっと震え、私は何も聞こえない事にした。とても怖かった。

競技の始まりを知らせるピストルが鳴り、リレーが始まった。
私は何故かまたアンカーになり、若月からバトンを受け取った。
若月がバトンを受け取った時はビリ
私がもらった時は3位。
1位との差は半周。
多分本気を出さなくても勝てるなと思ったその時

実況をしていた放送から奈々未お姉ちゃんの声が聞こえてきた。
「1位になったらうちに猫が来ます。くるか来ないかはSiro。次第です。本気出さないと猫は来ません」

お姉ちゃん達に猫を飼いたいと言えば、ダメだといわれ、断られ続けた。(※本当は猫にSiro。を取られるから嫌だった)
やっとだ、、、

「こりゃ本気出さなきゃな…」

走りに集中して音が聞こえなくなり、コースの道しか目に入ってこない。
私の頭は猫でいっぱいだった。勝つ勝つ勝つそして猫を抱くんだ。

ゴールテープを切ると、聞こえるはずの音が聞こえない。1位のはずなんだけどな、、、

キョロキョロしてると若月がこっちに走ってきた。

若「Siro。〜!圧勝だ〜!!!」

私は1位に半周ちょいの差をつけてゴールしたらしい。
この言葉を合図に一斉に会場がうるさくなった。

「やった、猫だ!」


それから若月とのちょっとしたハプニング(おまけ話2)があり、私の体育祭での仕事が終わった。

リレーで勝ったことで、私達の団の勝ちは決まったようなものだった。

体育祭も残すところパン食い競走だけだ。

『次は、父兄&生徒によるパン食い競走です!』

毎年人気のないこの競技だか、今年はものすごい盛り上がりをみせている。
原因は、、、私の周りで見えない炎を燃やしている人たちだ。

麻衣お姉ちゃんは
麻「絶対勝つ、Siro。とデートSiro。とデート、、、」
とさっきからブツブツと呪文のように呟いている。うん、怖い。

奈々未お姉ちゃんは

橋「ねぇ、Siro。はどこ行きたい?私は博物館とかいいと思ってるんだけど、あ、でも映画でもいいよねぇ」
と勝つ事が決まっているかのようにデートの予定をたてている。いや、デートじゃないんだけどね?

七瀬お姉ちゃんは
「七瀬お姉ちゃん、暑いよ」
七「ななは平気」
「いや、そういう事じゃ「ななに抱きつかれるのいやなん?」」
「いやじゃないんだけどね、ちょっとドキドキというかなんというか」
七「なに?ドキドキしてるん?」
「あ、いや違、、、」
んー?と言って肩に乗せている顔を私の方へ近づける
「してな「嘘つきやなぁ、さっきから心臓ドキドキしてるで?」」
「うっ、、、」
誰だってこんなに可愛い人に抱きつかれたらドキドキするだろう
ニヤニヤしながら、ただでさえ近い顔をもっと近づけてくる。
飛「Siro。お姉ちゃんもう始まる」
七「あー、Siro。〜」
手を引かれ、やっと七瀬お姉ちゃんと離れることが出来た、危ない危ない危うくキスされるところだった…
「ありがとう飛鳥」
飛「別に」
少し赤くなった顔を隠すように、伏せてしまう。
「可愛い」
飛「、、、うるさい」

ちなみに衛藤先生は父兄ではないので、参加出来なかった。
悔しそうに頬を膨らませているのを見て、思わず笑うと「あー、笑ったなぁー!」と言って、こしょこしょをされ、近くにいた生徒に見られすごい恥ずかしかった。
やっぱり衛藤先生を敵にするのはやめよう。

そんな事をしているうちに、入場の音楽がなった。
大歓声に迎えられながら、入場していく。
七瀬先輩!とか麻衣先生!とか奈々未先生ー!とか、飛鳥ちゃーん!!とかそんな声ばかりだ。当たり前のように私を呼ぶ声は聞こえないと思ったが、微かに玲香達の声が聞こえる。

若、玲、真「Siro。頑張れ!」
いい友達に出会えて良かった。
目頭が熱くなり、溢れそうになるものを必死に抑え、笑顔で手を振り返した。

麻(ぐはっ!)奈(、、、やばい)七(うちの子可愛すぎる)
飛「Siro。お姉ちゃん、それ以上やると危ないから早く行こ」
「え、危ないってどういう」
飛「いいから」
「あ、うん」

手を引かれ、足早に入場した。
ーーーーーーーーーーー
この時Siro。はなかなか見せない、
無邪気な笑顔で数十人を禁断の恋に落とし、数人を気絶させたのである
ーーーーーーーーーーー

私達の順番はラスト大トリだ

パン食い競走は予想以上の盛り上がりを見せ、私たちの番が来た。

麻「勝つ、絶対勝つ」
奈「何言ってんの?勝つのは私だから」
七「ちゃうで、勝つのはななや」
飛「私」

私が勝ったらどうなるんだろう…
もしかして、休みは私と猫だけにしてくれるとか!?

「いや、勝つのは私」
麻、奈、七、飛「え?」

スタートを知らせる音がなり、思いっきりスタートをきった。

最初にパンに着いたのは、もちろん私だったが、意外とパンが高く、ジャンプしても届かない。
苦戦していると、麻衣お姉ちゃんと奈々未お姉ちゃんが来た。
麻「何よこれ、全然届かない、、、」
奈「美彩のやつ何かやったな、、、」

美人がぴょんぴょんとジャンプしてパンを取ろうとする姿はファンにはたまらないのか
周りからはキャーキャーという悲鳴に近い声と、「大丈夫ですかー?おい!救護室に運べ!」という声、あとは、、、

「花奈撮りすぎ」
中「これを撮らずして何を撮る!麻衣さんその表情最高っす!!」
「ダメだこりゃ」

花奈が釣れた

パンにあまりにも届かないので、助走をつけ、走り出そうとすると、服を引っ張られた
飛「抱っこ」
「ん?」
飛「あんなの届かないもん」
「いやでも、それって反則なんじゃ、、、」
飛「それは大会のルールであって私達が決めたルールじゃない、だから大丈夫」
妙に納得してしまった。
「じゃあ私がこれから取るからその後でいい?」
飛「仕方ないから許す、頑張れ」
「あはは、ありがとう」
飛鳥の応援もあって、パンをとることが出来た。

急いで飛鳥の元に駆け寄ると、飛鳥は無言で両腕を突き出した
友達に見られている恥ずかしさからか、または太陽によって焼けたのか、頬が赤くなってる。

飛「ん」
「うん、よいしょっと」
飛「もうちょい右」
「はいよ〜とれたー?」
飛「ん、ほれたぁー」
「よし、じゃあ行こっか」

抱っこから、運びやすいお姫様抱っこに変え、走り出した。

飛「え、なんでお姫様抱っこなの」
「足、怪我してるんでしょ?」
飛「、、、なんで知ってるの」
「飛鳥の事なんてすぐ分かるよ、よく見てるからね」

本当は抱っこした時に、足首が腫れていることに気づいた。ジャンプした時に捻ったらしい。
飛鳥は腕を私の首に回し、恥ずかしいのか目をそらしながら「ありがとう」と呟いた。

パン食い競走の結果は私の反則行為により私と飛鳥は最下位、1位は麻衣お姉ちゃんだった。だけど、飛鳥が怪我したことを知ったお姉ちゃん達は勝敗などお構い無しに、真っ先に飛鳥のいる救護室に向かい、飛鳥をうるさいくらいに心配した。

やっぱり家のお姉ちゃん達は最高のお姉ちゃんだ。

こうして、体育祭は終わりを迎えた。

おしまい。


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