噂の五人姉妹

□第3話 学校での五人姉妹…(中編)
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麻衣お姉ちゃんが作ってくれた美味しいお弁当を食べ終えて、私は覚悟を決め、席を立った。

「さてと、いきますか…」

玲「ん?Siro。どこ行くの?」

「奈々未先生に会いにいくの」

玲「あーそっかそっか、生きて帰って来てね」

若「ご愁傷様」

花「あ、真夏の玉子焼きちょうだい」

真「いいよー」

花「うわ、この玉子焼きハートになってる…」

真「そうなの!花奈のために愛情いっぱい込めて作ったんだよ?」

玲「ねぇ、わかちゅきー無視しないでよー、わっ!わっ!」

若「あーうるさいー」

こいつら…

ふつふつと沸いてくる怒りを沈め、奈々未お姉ちゃんの元へ向かう。

あれ?なんでだろう…今日はファンクラブメンバーと歩いてないのに、いつもより見られてる気がする。

えぇ…なんか変かな…?

そーいえばなんか教室出る前に花奈写真撮られた気が…

まぁ、いっか、、それより問題は、、、

目の前には、数学科の文字が主張してあるドア。

呼吸を整え、ドアを3回ノックして聞きなれた「はーい」という言葉を合図にドアを開けた。

「し、失礼しまーす」

「ん?、あぁSiro。か、そ、、、」

奈々未お姉ちゃんは何故か私の顔を見て固まってしまった。

「な、奈々未先生?」

「あ、いや、何でもない、そこら辺に適当に座っといて」

「はい」

白衣をきて、濃い紫色のシャツのボタンを上まで締めて、教師の時だけつける黒縁メガネは謎の色気を出している。

綺麗だなぁ、、そりゃもてるよ…

「なに?見られると気が散るんだけど」

「あ、すいません」

つい見とれていると、教師モードの奈々未先生に怒られた。

それから5分くらい沈黙の時間が経って、

奈々未先生のふぅ…というため息で終わりを告げた。

くるっと椅子の向きを変えて、メガネ越しに目が合った。

「それで?なんで忘れたの?」

「えっと…お姉ちゃん達に邪魔されて…」

「またお姉ちゃん?」

「はい…」

「今度は誰?麻衣?それとも七瀬?」

「…奈々未お姉ちゃん」

「へ?」

「だから、奈々未お姉ちゃんだってば」

「え、私?何したっけ?」

「昨日の夜、部屋で課題やってたら…」


ーーーーーーーーー

明日は課題提出だからちゃんとやらなきゃ!

何問かといて、次の問題に取りかかろうとしていると

ドアがバン!と勢い良く開いた。

「あーー、Siro。みーっけ!」

「え、奈々未お姉ちゃん!?ってお酒臭い!」

ドアが開くと、頬を赤く染めて、すっごい笑顔の奈々未お姉ちゃんが抱きついてきた。

「えへへー、今日ねー飲み会だったのー」

そうだった、麻衣お姉ちゃんも奈々未お姉ちゃんも飲み会に行ってたんだ。

でも、いつもはあんまり飲まないのに、今日は結構酔っ払っている。

なんだろ?楽しかったのかな?

「あーそっか、楽しかった?」

「ぜーんぜん!セクハラ親父ばっかだし、無理やり飲ませてくるし、もーSiro。に早く会いたかった…」

「うん、私も奈々未お姉ちゃんに会いたかったよー」

「んー、Siro。好き……だよぉ……」


「えっ、お姉ちゃん!?ちょ、ここで寝ないで!お、重いぃー!」

「ねぇSiro。〜奈々未ここに来なかった?ってやっぱりこうなったか…」

「麻衣お姉ちゃん!早く助けて!」

「はいよー、よいしょっと、、ほら奈々未お風呂入ってきな」

「んーー、分かった…」

足がおぼつかなくて肩をドアに思いっきりぶつけたけど、酔っ払ってるせいか、眠いせいなのか、何も気にせずにお風呂に行った。

「奈々未お姉ちゃんなんでこんなに飲んだの?」

「あー、奈々未イライラしててさ、お茶一気飲みしたと思ったら間違えて焼酎飲んじゃってさー、ホント家に連れて帰るのも大変だった…」

「そっか、麻衣お姉ちゃんありがとね」

「んーどういたしましてー」

ーーーーーーーーーーーーー

「マジで?」

「うん、お風呂から出た後まだ酔いが覚めてなかったのか凄い絡まれて大変だった」

「ごめんなさい」

メガネを外して、空いた口をやっと閉じた。

「いいよー、わざとじゃないし」

「いや、ホントごめんね?」

「大丈夫、麻衣お姉ちゃんで慣れてるし!てことで課題は…」

「でも、課題はちゃんとやってもらわなきゃ」

「え、、」

「忘れたから2倍ね?期限は1週間」

「そ、そんなぁー!!!」

いつの間にかメガネをかけて、口角を少しあげながら鬼畜すぎる言葉を言い終えると、再び机に向かって仕事を始めた

仕方ない、やるしかないか…

「じゃあ、失礼しました」

ドアに手をかけようとすると、腕を引っ張られ、誰かに抱きしめられた。

「だーめ、せっかく二人きりに慣れたのに勿体無い」

前にも聞いたことのある、言葉。

それが麻衣お姉ちゃんの言葉だと思い出した時には唇に軟らかいものが当たっていた。

「んっ…お姉ちゃん!ここ学校!」

「大丈夫、ここには私くらいしか来ないから、ねぇもう1回していい?」

「だっ、、んっ…」

「早く答えてくれなかったからしちゃった」

「答えさせる気なかったくせに…」

「あ?バレた?」

「もう、お姉ちゃんのバカ」

「じゃあ、最後の一回」

「えー、だ「「だめぇー!!!」」」

ドアを思いっきり開けて入って来たのは飛鳥と麻衣お姉ちゃん、肩で息をしていて、なんで走ってたんだろ?

「あーあ、いい所だったのに、あと、廊下は走っちゃいけません」

「うるさい!あーSiro。大丈夫!?変なことされなかった?」

ガタガタと肩を揺らされる。これは言うしかなさそうだな…

「キスされた」

「な、なんだって!?こら!奈々未!ここは学校なんだから手出しちゃダメでしょ!」

「でも、麻衣お姉ちゃんも朝キスしてきたよ?」

「「はぁ?」」

「あ、Siro。それは内緒、、、」

「ちょっと麻衣?どういう事か説明してもらおうか?」

「い、いや、それはなんと言うか…だ、誰か助けて…」


お姉ちゃん達が喧嘩を始めようとしていると、背中をとんとんとつつかれて、後ろを向くと、飛鳥が頬を膨らませながら、こっちを見ていた。

「ん?どうしたの飛鳥?」

「みんなずるい、私もしたい…」

確かに飛鳥だけしないのは良くないよね…

しょうがないか

「よし、じゃあ一回だけだよ?」

「うん!」

「んっ、、よし、じゃあお姉ちゃん達はほっといて、私達は戻ろうか?」

「うん、その方がいいよ、早く行こ!」

「あー廊下は走っちゃだめだって、飛鳥?聞いてる?」



二人が居なくなった数学科の部屋では…

「ねぇ、Siro。の顔見た?」

「見た…」

「あれは」

「「反則だよね…」」

「Siro。ごと食べたい」

「激しく同意…あ、やべ…」

Siro。が出ていった教室では…

真「ねぇ、花奈、さっき何撮ったの?」

花「Siro。のほっぺに付いてたご飯粒」

真「花奈が悪い顔してる、、」

その後、Siro。の写真はファンクラブ内で高値で取引されたという、、、
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