噂の五人姉妹
□第2話 学校での五人姉妹…(前編)
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「はぁー、日直ってやっぱりめんどくさいな…」
教室に着くと、もう電気がついていた。
「もう誰か来てるのかな…って麻衣お姉ちゃん!?」
教室に入ると、麻衣お姉ちゃんが私の机に寄りかかっていた。
「あ、やっと来たな〜?もう今日日直なのに遅いぞ」
「あ、うん、ごめんなさい」
「分かればよろしい、あと学校では市川先生でしょ?」
「あ、そうだった、それで市川先生はここでなにをしてるんですか?」
「あーそうそう、日誌渡しに来たの、今日よろしくね」
「うん!でも、職員室で待っててくれたら行ったのに」
「そりゃ、二人っきりになれるチャンスを私が逃すわけ無いでしょ?」
お姉ちゃんが私の腕をカーテンの方に引っ張っり、
「ちょ、っん…」
私の顔を上げて触れるだけの簡単なキスをした。
キスを終えると、ニコッと満足したかのように、満面の笑みを浮かべて私を残しカーテンから出ていった。
「よし!じゃあ職員室戻るね〜」
「も、もう!学校はダメって言ってるじゃん!」
「あはは、ごめんごめん」
まったく、麻衣お姉ちゃんは学校ではメガネをかけてるから家とは違った雰囲気にいちいちドキドキしてしまう。
ごめんと言いつつもまったく反省してないんだろーな
「もう…麻衣お姉ちゃんのバカ、、あ、日直の仕事しなきゃ」
お姉ちゃんのせいで忘れかけていた、日直の仕事は意外と早く終わってしまって、机に突っ伏していると、本日3度目の睡魔が襲ってきた…
「まぁいいか…少しだけ寝ちゃお」
周りがザワザワと騒がしくなってきて、目を開けると目の前に花奈達がいた。
「おはよ、Siro。、寝不足?」
「おはよーううん違うけど、なんか眠くなっちゃって」
「そっか、まぁ健康第一だし、辛かったらちゃんと言いなよ?」
「うん!ありがとう真夏ー、てか花奈はなんで私の事撮ってんの」
「いや、いい練習台だなぁーと思って」
「ひどいわぁー、まぁ需要ないのは知ってるけど」
花奈はアイドル研究部で一眼レフをいつも持ってファンにその写真を売っている。
うちの学校では、3個ファンクラブが存在し、
1番人気の麻衣お姉ちゃん
2番人気の奈々未お姉ちゃん
3番人気の飛鳥
まぁうちの姉妹達は全員ファンクラブがある。
「私だけないって、まぁ分かってはいたけど悲しいよねー」
「ホントだよ!こんなに近くにいるのに、撮っても無駄になるなんて…」
「まぁまぁ、Siro。も自信持ちなって、お姉ちゃんと妹が可愛すぎるだけでSiro。も可愛いよ!」
「玲香それあんまりフォロー出来てないから!」
「やっぱり、玲香はポンコツだなぁー」
「わーきずついたー」
「え!ごめんSiro。!てか、ポンコツゆーな!」
「まぁまぁ、とりあえず撮っても減るもんじゃないんだからいいじゃん」
「まぁそうだけど、、」
((((実はSiro。には秘密でファンクラブが存在するなんて言えない!しかも、会長と副会長がお姉ちゃん達なんて言えない!))))
「ん?どうしたのみんな黙って」
「「「「いや、なんでもないよ!」」」」
「あ、Siro。、今日の数学の課題やってきた?」
「あっ!忘れてた…真夏見せて!」
「やだー」
「じゃ、じゃあ花奈!練習台にもなってあげてるんだし!」
「拒否」
「じゃあ若!」
「だーめ」
「じゃあれ、玲香は別にいいや、いっぱい間違ってそうだもん」
「え!ひどくない!?」
とは言ったものの、課題どうしよう…だって先生があの人なんだもん…
とりあえずやろうと始めようとした所で、1時間目の予鈴が鳴った。
「あ、、、」
「はい、Siro。どんまーい」
「これは家でも怒られるな〜」
「そうそう、だって数学の担当」
「奈々未先生だもんねぇ〜?」
「あは、あはは、、」
課題と奈々未お姉ちゃんから逃れられるわけもなく、
案の定課題を忘れた私は奈々未お姉ちゃんに、ものすごい笑顔で
「市川は昼休みに数学科教材室に来なさいね」
と言われ、無事に家に帰れることを願いつつ、もう絶対に課題を忘れないと心に決めたのだった。