台本小説

□ケンカップル
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ハウ「よし、これで…!」
しゅんっ!
ハウ「っ!」間一髪で避ける
狙っていた獲物に弓矢が深々と突き刺さり、獲物は横取りされてしまった
ハウ「〜っ!リベルテ!」
リベルテ「なんだ?」
ハウ「あれは俺が狙ってたんだけど!」
リベルテ「それはそれは、手こずっていた様だから手伝ってやったんだが」
ハウ「余計なお世話!」
リベルテ「まぁそういうなよ」頭を撫でる
ハウ「キシャーッ!!」爪で引っ掻く
リベルテ「いって、この野良猫め」
ハウ「うっせぇ」
リベルテ「はぁ……帰るか」
ハウ「あんたもう村出てけよ」
リベルテ「住む所がない」
ハウ「探せっ」
リベルテ「私だってお前みたいなのがいるとこで過ごしたくないんだがな」
ハウ「じゃー野宿でもしろよなぁ!!」
リベルテ「うるさい」
ハウ「むぐ」バリバリ
リベルテ「いっ……!また引っ掻いたな!」
ハウ「俺に触るな!」
リベルテ「このくそ猫が……!」
ハウ「言葉遣いが悪くってよ!長耳野郎!」
リベルテ「お前の方が悪いだろ!」
ハウ「あんたにだけだもーんっ!」
リベルテ「はっ他の奴らには媚びるしな!」
ハウ「なんか文句でもあるのかよ!?」
キット「そこまでだ」拳骨
ハウ「いったーい!」
リベルテ「くっ」
キット「いい加減にしろお前ら」
ハウ「キット様〜っこいつが悪いんです、早く追い出しましょっ?」
リベルテ「族長、こいつの教育を間違えたのではないか?」
キット「両方の言い分には聞く耳持たん、だがうるさくするな」
ハウ「はい…」
キット「…今日の獲物は大きいな、二人で狩ったのか」
ハウ「……結果的には」
リベルテ「トドメだけ刺した感じになったな」
キット「そうか、どちらにしろ…よくやった」
ハウ「!ありがとうございますっ」
リベルテ「はぁ、嬉しそうに…」
ハウ「何突っ立ってんだよ?飯にしようぜ」
リベルテ「…あぁ」


ハウ「おいし、お前の料理の腕だけは認めてやるよ」
リベルテ「そいつはどーも」
ハウ「……機嫌悪い?まだ怒ってんの?」
リベルテ「別に怒ってない、機嫌が悪い訳でもない」
ハウ「じゃなに?」
リベルテ「お前に好かれるには飯しかないのか」
ハウ「……はぁ?」
リベルテ「可笑しいか」
ハウ「おかしーおかしい、だってあんた俺のこと嫌いでしょ?」
リベルテ「まぁな」
ハウ「じゃあなんで好かれようと思ってんの?」
リベルテ「さぁ」
ハウ「意味わかんない、やっぱお前嫌い」
リベルテ「俺もだよ」
ハウ「変なやつー」

リベルテ「嫌いだと言いつつも目で追うのはなんでだろうな」
(やはり、あいつと重ねているんだろうか)

私には昔、親友がいた
ある日、些細なことで喧嘩別れしてしまったが
彼が死んだということを聞かされたのはそれから少ししてからだった
元から不安定だった彼の精神は私がいなくなったことにより壊れ、自殺してしまったそうだ
……それが原因で、私は喧嘩というものがあまり好きじゃない
だが何故か、あいつを前にすると思ったように口が動いてしまう
一人残されるというのはもうゴメンだ
だからといって仲良くしたい訳でもない
ただ……もう少し歩み寄って欲しいだけだ
だがそれが叶えられる訳もない

ハウ「何してんだよ長耳やろー」
リベルテ「考え事だ」
ハウ「そういやお前じじいだもんな」
リベルテ「そんな年じゃない」
ハウ「2000超えてたらじじい!」
リベルテ「獣人が短命すぎるんだろ」
ハウ「結構これくらいのやつ多いでしょ」
リベルテ「そうか?まぁいい」
ハウ「今日から長耳じじいって呼ぼう」
リベルテ「ガキ猫って呼ぶぞ」
ハウ「若いほうがいいもんねーっだ」
リベルテ「減らず口だな」
ハウ「ふん、エルフなんて嫌いだ」
リベルテ「……なんでだ」
ハウ「…お前には関係ない」俯き、立ち去った
リベルテ「おい、ハウ」


キット「二人して過去と重ねているから素直になれないのだろうな」
ムーン「なるほどー」
キット「誰だ」
ムーン「みんなのアイドルムーンちゃんです!まぁそんな事は気にせずー」
キット「……もう言うことはないが」
ムーン「えーまじで!てかハウ君の過去は?」
キット「あぁ、あいつは昔恋仲がいてな、エルフだったんだが…実は全部嘘で、騙された挙句当時の族長を殺した」
ムーン「ひぇ」
キット「おかげでやつはエルフがすっかり嫌いになってしまったようだ、リベルテに関しては普通に接してられるようだが…」
ムーン「でもそれだと好きになっても付き合えなさそう……えぇーっ」



リベルテ「お前よく食べるが肉はそんなについてないよな」腹に触れる
ハウ「どこ触ってんだ!!」噛み付く
リベルテ「いっっ!!何をする!」
ハウ「あんたが腹に触ってくるから!」
リベルテ「駄目だったのならもっと先に言え!」
ハウ「普通触んないでしょ!」
リベルテ「知るか!」



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